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絶えず
「絶えず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絶えずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
器。計算器の前には手が二つしきりなしに動いている。勿論女の手に違いない。それから
絶えず開かれる抽斗《ひきだし》。抽斗の中は銭《ぜに》ばかりである。
....
「影」より 著者:芥川竜之介
女はまだ見た所、二十《はたち》を越えてもいないらしい。それが壁へ貼った鏡を後に、
絶えず鉛筆を動かしながら、忙《せわ》しそうにビルを書いている。額の捲《ま》き毛、....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
かされずにはいられませんでした。しかもあの女権論者は、骨立った顔に薄化粧をして、
絶えず襟を気にしながら、私たちのいる方へ――と云うよりは恐らく隣の縞の背広の方へ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
みたいてい》な骨折りではない。しかも讐家《しゅうか》の放った細作《さいさく》は、
絶えず彼の身辺を窺《うかが》っている。彼は放埓《ほうらつ》を装って、これらの細作....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
。そうして、同じく市《まち》の中を流れるにしても、なお「海」という大きな神秘と、
絶えず直接の交通を続けているためか、川と川とをつなぐ掘割の水のように暗くない。眠....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
かかって来ました。」と云った。
「何か用だったかい?」
洋一はそう云う間でも、
絶えず賑《にぎやか》な大通りへ眼をやる事を忘れなかった。
「用は別にないんだそう....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
である。浴室の窓や戸じまりを厳重にしたのもそのためである。しかし彼はそれでもなお
絶えず不安を感じていた。また不安を感じたのも無理ではなかったのに違いない。なぜと....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
」
彼等は手をつないだまま、もう浅瀬へはいっていた。浪《なみ》は彼等の足もとへ
絶えず水吹《しぶ》きを打ち上げに来た。彼等は濡れるのを惧《おそ》れるようにそのた....
「狂女」より 著者:秋田滋
とり、あの事件を気にとめる者もなかった。だが、僕にはどうしても忘れられなかった。
絶えずそのことばかり考えていた。 兵士たちは一体あの女をどうしたのだろう。森を....
「初雪」より 著者:秋田滋
たくなってしまうような気がした。良人は夕餉の時刻にならなければ帰って来なかった。
絶えず猟に出かけていたからである。猟に行かなければ行かないで、種蒔きやら耕作やら....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
第一巻に集っていることになる。 この前、十年間の研究に際して、ファラデーの心を
絶えず指導して来たのは、自然界の種々の力は互に関係ありとに何にか関係があるという....
「寡婦」より 著者:秋田滋
て来る水分がからだを包んでしまう。射手たちはこのひッきりなしに襲ってくる水攻めに
絶えず身をかがめ、犬も悲しげに尾を垂れて、肋骨のうえに毛をぺッたりくッつけていた....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いアメリカのほかのところでは、移住民や種々な改善が奔流のようにぞくぞく流れこみ、
絶えず変化しているが、その大きな急流もこの渓谷にはまったく気づかれずに流れてゆく....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
彼はながい間じッと耳を澄して聞いていた。ある時は右の方に、またある時は左の方に、
絶えず何かしら聞えるような気がした。今はもう気も顛倒してしまった彼は、我が子の名....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
もと、われわれの気質の中にあるものなのだ。殺さずにはいられないのである。禽獣は、
絶えず、毎日、生活の各瞬間に殺しているのだ。――人間は自らを養うために、
絶えず何....