»
絶えま
「絶えま〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絶えまの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
下は、斜めにつき出した高い檐《のき》に、月も風もさえぎられて、むし暑い暗がりが、
絶えまなく藪蚊《やぶか》に刺されながら、酸《す》えたようによどんでいる。藤判官《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
々の中から湧き上る声は、彼の悲喜には頓着なく、あたかも目に見えない波濤のように、
絶えまなく彼の上へ漲《みなぎ》って来た。
三十二
素戔嗚《すさのお》はその....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ると申しますが、こんな働きのない子ばかりでは、どうして、どうして、かえって苦労は
絶えません」 こういう話しがあってから、吉弥とお袋とは帰った。まだ青木から餞別....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ないつもりで居りますのに、夫は昨年から更に盧氏の娘を娶りましたので、家内に風波が
絶えません。又その女が気の強い乱暴な生まれ付きで、わたくしのような者にはしょせん....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
し遊ばしました。 夫人 夜叉ヶ|池まで参ったよ。 薄 おお、越前国|大野郡、人跡
絶えました山奥の。 萩 あの、夜叉ヶ池まで。 桔梗 お遊びに。 夫人 まあ、遊び....
「火星兵団」より 著者:海野十三
、黒い長マントを着ています」
と、拡声機からは、特別公示事項の放送が、ほとんど
絶えまなく行われた。しかしそれは、もう午後になってからのことで、かなりたくさんの....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
彼はそこで六ヶ月の刑期を送りました。既決に降ってからは刑期中は仲間への消息は
絶えました。彼は振りがなの本を読むことも許されず、手紙も書けませんでしたから。 ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
しゃいました。 三崎座が刎ねまして、両方へばらばら人通りがありました。それが途
絶えましたちょうどあとで、お一人で、さっさと幟のかげへ見えなくおなんなすったんで....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
ぞ悪しからず。」 「どう致しまして、憚様。」 と言ったばかり、ちょいと言葉が途
絶えましたから、小宮山は思い出したように、 「何と云うのだね、お前さんは。」 「....
「薬」より 著者:井上紅梅
灯に火を移し、燈盞を吹き消して裏部屋の方へ行った。部屋の中には苦しそうな噴び声が
絶えまなく続いていたが、老栓はその響のおさまるのを待って、静かに口をひらいた。 ....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
杯に言ったのです。 「いいえ、兄が一緒ですから……でも大雪の夜なぞは、町から道が
絶えますと、ここに私一人きりで、五日も六日も暮しますよ。」 とほろりとしました....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
ッと白くなります、雨戸の隙へ鳥の嘴程吹込む雪です。 「大雪の降る夜など、町の路が
絶えますと、三日も四日も私一人――」 三年以前に逢った時、……お米さんが言った....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
ときヘミングウェー嬢の部屋にいました。外は、ザクザクガチャガチャという音で巡邏が
絶えません。しかし僕は、地図を見ながら、南行のスケデュールを組んでいました。と、....
「時計のない村」より 著者:小川未明
談を進めるようになりました。 こんなようなことで、つねに時間から、双方の争いが
絶えませんでした。そのうちに、ふとしたことから、乙のほうの時計が壊れてしまいまし....
「古事記」より 著者:太安万侶
。今でも四月の上旬になると、女たちが裳の絲を拔いて飯粒を餌にしてアユを釣ることが
絶えません。 カゴサカの王とオシクマの王 ――ある戰亂の武勇譚が、歌を插入し....