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絶え間
「絶え間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絶え間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
悦《よろこ》ばしいことであろう。自分は生活に疲れているばかりではない。何十年来、
絶え間ない創作の苦しみにも、疲れている。……
老人は憮然《ぶぜん》として、眼を....
「母」より 著者:芥川竜之介
おお、よく肥《ふと》っていらっしゃる。」
やや上気《じょうき》した女の顔には、
絶え間ない微笑が満ち渡った。女は敏子の心もちに、同情が出来ない訳ではない。しかし....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》を振る音、あるいは栴檀沈水《せんだんちんすい》の香《かおり》などが、その中から
絶え間なく晴れ渡った秋の空へ、うらうらと昇って参ります。
するとその供養のまっ....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
ね。」
「獲物? ああ、あの札か? あんなものはざらにありはしない。」
僕等は
絶え間ない浪の音を後《うしろ》に広い砂浜を引き返すことにした。僕等の足は砂の外に....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
すから。」
「うん、急がなくって好いが。」
彼等は倭衣《しずり》の肩を並べて、
絶え間なく飛び交《か》う燕《つばくら》の中を山の方へ歩いて行った。後には若者の投....
「少年」より 著者:芥川竜之介
やっと三時頃であろう。玩具屋の外の硝子《ガラス》戸は一ぱいに当った日の光りの中に
絶え間のない人通りを映《うつ》している。が、玩具屋の店の中は――殊にこの玩具の空....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
に佇《たたず》んだまま、何か僕に声をかけていた。けれども生憎《あいにく》その声も
絶え間《ま》のない浪《なみ》の音のためにはっきり僕の耳へはいらなかった。
「どう....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
夜の側面」は、ちょうど美しい蛾《が》の飛び交うように、この繁華な東京の町々にも、
絶え間なく姿を現しているのです。従ってこれから私が申上げようと思う話も、実はあな....
「或る女」より 著者:有島武郎
冷え、肩は動かすたびごとにめりめり音がするかと思うほど固く凝り、頭の心《しん》は
絶え間なくぎりぎりと痛んで、そこからやりどころのない悲哀と疳癪《かんしゃく》とが....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
して、たくさんの雁の群は一せいに蒲の中から飛び立ちました。音はなおも四方八方から
絶え間なしに響いて来ます。狩人がこの沢地をとり囲んだのです。中には木の枝に腰かけ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
杜子春はこの天変の中に、恐れ気もなく坐っていました。風の音、雨のしぶき、それから
絶え間ない稲妻の光、――暫くはさすがの峨眉山も、覆るかと思う位でしたが、その内に....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
て妻を自分の思うように変えてみたいという気持ちが私にある間、私の家ではあらそいの
絶え間がなかつた。しかし、そのようなことは所詮人間の力でできることではないと悟つ....
「著作権の問題」より 著者:伊丹万作
結構をそなえて以来今日に至るまで、我々映画芸術家の保有すべき当然の権利は毎日々々
絶え間なく侵犯されつづけてきたし、現にきのうもきようも、(そしておそらくはあすも....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
煙を隔ててこれを望むに、初雪を冠するかを疑わしむ。樹木の生育せざるは、年中強風の
絶え間なきによる。ただし、風のために雪積まず、野草枯れざるをもって、牧羊に適す。....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
端」に変ってしまったという外はない。如何に万法は流転するとはいえ、こういう変化の
絶え間ない都会は世界中にも珍しいであろう。 僕等はいつか工事場らしい板囲いの前....