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絶後
「絶後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絶後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
知らるるとおり、あれなる青まゆの女は、生まれが葉茶屋の多情者でしたから、お家の断
絶後における淫楽《いんらく》の自由を得んために、じゃまな嫡子はもとの忠僕であった....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
這裡《しゃり》の消息を知ろうと思えばやはり懸崖《けんがい》に手を撒《さっ》して、
絶後《ぜつご》に再び蘇《よみが》える底《てい》の気魄《きはく》がなければ駄目だ」....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
十年後に切迫していると見なければならないと思うのであります。今は人類の歴史で空前
絶後の重大な時期であります。 世の中には、この支那事変を非常時と思って、これが....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
がどうしてあんなに僕を打撃したのかよく分らない。僕は生れて初めて、そして恐らくは
絶後であろうと思うが、本当に後悔した。三十日間の禁足をほとんど黙想に暮した。そし....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
第三の男は語る。 「唐代は詩文ともに最も隆昌をきわめ、支那においては空前
絶後ともいうべき時代でありますから、小説伝奇その他の文学に関する有名の著作も甚だ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、ジルベーのジンと書いてある貼紙の下。 K・M生 未知の国|売物――じつに空前
絶後ともいう奇怪なことである。まして、国というからには単純な未踏地ではあるまいが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
だいぼんげ》の筆にうつし見んとするにあり。この着想前古に無きものなれば、その画面
絶後の輪郭を要すること是非無かるべきなり。読者、一染《いっせん》の好憎に執し給う....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
て言句、情理の末に残そうとするのは、後に非常な弊害を残すことになる。それよりも「
絶後の悲哀を覚悟していい加減な相伝者を残さぬ」という翁の行き方の方が、真の能楽の....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
虫の幼虫を煮込み、その上にジーイー会社で極超短波を浴せかけて、電気燻製とし、空前
絶後の味をつけたものであって、この調理法は学者アインシュタインの導き出したもので....
「愚禿親鸞」より 著者:西田幾多郎
っても赤裸々たる自己の本体に立ち返り、一たび懸崖《けんがい》に手を撒《さっ》して
絶後に蘇った者でなければこれを知ることはできぬ、即ち深く愚禿の愚禿たる所以《ゆえ....
「流線間諜」より 著者:海野十三
R事件 いわゆるR事件と称せられて其の奇々怪々を極めた事については、空前にして
絶後だろうと、後になって折紙がつけられたこの怪事件も、その大きな計画に似あわず、....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
りは遙に肥えた今の余輩の観劇眼をもってしても絶品であるに相違ない、あれは正に空前
絶後といってよろしい、我輩の高田実崇拝はその時から始まってその後本当に血の出るよ....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
の絵本あり。 一立斎広重は北斎と相並んで西欧の鑑賞家より日本画家中恐らくは空前
絶後の二大山水画家なるべしと称せらる。この両大家はいづれも西洋画遠近法と浮世絵在....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
めた大蔵の顕著なる実例と申し奉るべきものであろう。これは至尊の御葬儀として、空前
絶後の例ではあるが、しかしながらかくの如きの葬儀は、親王以下庶民の場合において、....
「『日本石器時代提要』のこと」より 著者:中谷宇吉郎
年若い一助手の遺著に対して、こういう厚意を示されたことは、空前のことであり、また
絶後になるかもしれない。早くは死んだが、弟は仕合せな男であった。 (昭和三十年七月十九日)....