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「絶無〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

絶無の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
精神に異状がないと云う事を証明すると同時に、また一方ではこう云う事実も古来決して絶無ではなかったと云う事をお耳に入れるために、幾分の必要がありはしないかと、思わ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ハーモ》人の一族があったのでしょう」 「そうです。その血が、なんでいまの白人種に絶無といえるでしょう。ですから、私は東洋思想に溶けこんでいるせいか、有色人|蔑視....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
一所にあって、永い間の中にただ滅して行く。石の方から外界に対して働きかける場合は絶無だ。私には下等動物といわれるものに通有な性質が残っているように、無機物の生活....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ったならば、第一次欧州大戦も決戦戦争となって、ドイツの勝利となる公算が、必ずしも絶無でなかったと思われます。 しかし私は、この計画変更にも持久戦争に対する予感....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
諸新聞の記事を聚め、又警視庁の調書も読ませて貰い、なるほど証拠不充分、乃至は証拠絶無の事実を合点することが出来たのであったが、どうしたものか、事件の底に猶消化し....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
出して来るという順序で、昔のような不意撃ちを食わせない。いわんや青天の霹靂などは絶無である。その代りに揚がりぎわもよくない。雷も遠くなり、雨もやむかと見えながら....
芥川の事ども」より 著者:菊池寛
言えると思う。彼のごとき高い教養と秀れた趣味と、和漢洋の学問を備えた作家は、今後絶無であろう。古き和漢の伝統および趣味と欧州の学問趣味とを一身に備えた意味におい....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
と、中には僕の気の弱さを嗤う人があるかもしれない。だが、それは妥当でない。あの凄絶無比の光景を本当に見た者でなければ、その正しい判定は出来ないのだ。 それはと....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
である。地上の人類が、現在の如き非合理的法律を墨守して居る限り、先ず改善の見込は絶無であろう。 問『無邪気な小児は、死後直ちに上界に進むか?』 貴重なる地上生....
妖怪漫談」より 著者:岡本綺堂
求めると、狐狸と一口にいうものの支那では狸の化けたということは比較的少い。決して絶無というわけではなく、老狸の怪談も多少伝えられてはいるが、狐とは比較にならない....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の頭脳に故障を来たしていたのかも知れないが、かれはその当時の芝居道において殆んど絶無ともいうべきほどの無欲、温厚、篤実の好人物で、一切の世事にうとく、金の値さえ....
西航日録」より 著者:井上円了
ち一律を賦す。 洛山深処暁冥冥、雲影侵窓夢忽醒、残雪懸天半空白、老杉繞水一渓青、絶無人跡渾蕭颯、唯有風光自秀霊、今夕不知何処宿、鉄車直下入旗亭。 (洛山の山なみ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
十月はじめごろに似たり。この地冬期といえども、ほとんど降霜を見ることなく、降雪は絶無なりという。ゆえに、家屋は多く暑さをしのぐに適して、防寒の設備を欠くもの多し....
文化線の低下」より 著者:小川未明
全的の感情を養い套習の覊絆から解放し、自由の何たるかを知らせんとする、真の文学の絶無といってもいゝのを慨かずにいられないのであります。....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
制度の発達や、交通機関の発達のため、追剥ぎ、辻斬り、水盃をして旅立ち等の悲惨事は絶無になりましたが、他方に失業問題や、階級闘争問題が起りまして、文化の余弊と言わ....