» 綯う

「綯う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

綯うの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
、立派に出来ている、東は宮川池に注ぐ一条の清流。嘉門次は炉辺で火を焚きながら縄を綯うている、どうも登山の支度をしてはいないらしい、何だか訝しく思うて聞いて見ると....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ればネパール語も知って居りますからその人に就いて学び始めた。まあ盗人を捉えて繩を綯うような話です。けれども今日までは専らチベット語ばかり学んで居りましたから外の....
海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
声が聞えた。総之丞は笑った。 「御存じでございませんか、今の男は、夫役に来て縄を綯うておりました者でございますが」 「そうか気が注かざったが、彼の鼻のひしゃげた....
怪人の眼」より 著者:田中貢太郎
。二時過ぎの陽が門口に一本ある柿の木を染めていた。一人の老人が庭前の蓆の上で縄を綯うていた。 「茶を一ぱい飲ましてくれ」 老人は縄を綯う手を止めて顔をあげたが....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の繁昌を見とどけてのめでたい往生でした。いつも莞爾々々して、亡くなる前日まで縄を綯うたりせっせと働いて居ました。入棺前、別れに往って見ると、死顔もにこやかに、生....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
察官に、爆弾船の検挙、裁判方法を講演してまわるという狼狽のし方だ。泥棒を見て縄を綯うのじゃない。追っかけながら藁を打つんだから、およそ醜態といってもコレ位の醜態....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
った!) と、心にさけんだ時はすでに、ガリガリガリッと、刀身と細い鎖とは、縄を綯うように、縒られていたのである。 「武蔵っ」 鎌を、手元に持って、分銅|鎖に....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
厳でありまた、おそろしく敬虔であった。 手に唾し、藁を素ごき、掌と掌を合わせて綯う力にも、何か傍目にも分る熱気がこもっていた。 「……?」 武蔵は、不審に打....