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網の目
「網の目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
網の目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ら巧みに抜け道から抜け道をたどって逃げたにしろ、わるがしこい四馬剣尺の張ってある
網の目をすべてくぐりぬけることはできないはずだった。だがすばらしい幸運が、老人と....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
いへんしっかりしたものに見えた。 その天井の下には、やはりおなじ色の吊り橋が、
網の目のように、縦横にとりつけられ、どこまでものびていった。吊り橋は、天井から十....
「海底都市」より 著者:海野十三
同じ警告をあびせかける。 「だって僕は、貴重な標本なんでしょう」 「そうさ。君は
網の目をのがれている所謂《いわゆる》ヤミ物品だから値が高いんだ。しかしどう釈明《....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
すぞ」 「がらん洞。やっぱりそうか」 「がらん洞ですが、細い電線みたいなものが、
網の目のように縦横に走っています」 帆村は、この発見にもとづき、別のミミ族を引....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
おります。けれども戸棚でございますから。」 「少々ばかり、御免下さい。」 と、
網の目の細い戸を、一、二寸開けたと思うと、がっちりと支えたのは、亀井六郎が所持と....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
からは、まるで仕掛花火がはじまっているような海上の騒が見えた。幾十条の探照灯が、
網の目のように入まじって、海上を照らし、爆雷の太い水柱がむくむくあがっている。 ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、その蝋燭でございます。」 「蝋燭は分ったであす。」 小鼻に皺を寄せて、黒子に
網の目の筋を刻み、 「御都合じゃからお蝋は上げぬようにと言うのじゃ。御随意であす....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
居なくなって、町でしょう、もう日が、とっぷり暮れている。夜道の落人、ありがたい、
網の目を抜けたと思いましたが、さあ、それでも追手が掛りそうで、恐い事――つかまっ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
」 「巻付けろ。」 遊軍に控えたのまで手を添えて、搦め倒そうとする糸が乱れて、
網の目のように、裾、袂、帯へ来て、懸っては脱れ、また纏うのを、身動きもしないで、....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
途端に、ざらざらと樹が鳴って、風が走る。そよ風が小波立てて、沼の上を千条百条
網の目を絞って掛寄せ掛寄せ、沈んだ跡へ揺かけると、水鳥が衝と蹴たごとく、芭蕉の広....
「迷信解」より 著者:井上円了
ようなる物が空より下りて引き回すごとくに見えたるが、山伏ども急に逃げんとするに、
網の目より火が燃え出でて、次第に燃え上がりて、山伏らはみな焼けて炭灰になりたり。....
「白い影」より 著者:小川未明
街の並木の葉は、たいてい落ちつくしてしまって、黒い小枝の先が青い空の下に細かく、
網の目のように透いて見えていました。 この港から、南洋の方へゆく船は、今夜出て....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、四方八方に拡がっている網のようなものだ。私たち箇々の存在は、その網の一つ一つの
網の目である。それは小さなものではあるが、網を拵え上げている上からは大事な一つの....
「おけらになった話」より 著者:小川未明
とばかりにびっくりしました。 「あの男は、どこへいったろう? ねずみでさえこの金
網の目はくぐれないはずだ。ふしぎなこともあればあるものだ。」といって、さわぎたて....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
のように、捕えようとしても、するすると辷べり出て逃げっちまうんですからね。警察の
網の目は私には少々大き過ぎるんですよ」 彼は気を呑まれて、ちょっと返事が出来な....