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網を張る
「網を張る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
網を張るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、その下手人もぱんぱんと眼がつくだろうというんですかい」 「決まってらあ。いわし
網を張るんじゃあるめえし、あば敬流儀に人足を狩り出すばかりが能じゃねえよ。あした....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
はしなかった。町奉行所ではこの頃しきりに流行るという辻斬りに対して、厳重に探索の
網を張ることになった。庄兵衛も薄うすそれを覚らないではなかったが、今更どうしても....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゃござりませんか」
「あれは、例の柿の木金助が取りに行くようになってから、あの金
網を張ることにしたのだ」
「へん、そうじゃござんすまい、鳩が巣を食ったり、野火の....
「栄蔵の死」より 著者:宮本百合子
て云ったのではあるまいかとさえ気を廻した。 自分の愚かさから、いつでも行く先へ
網を張る様な事を仕出来して、お君は、淋しい、やるせない涙を、はてしない夜の黒い中....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
かしい。仮りにあり来たりの仕方で、彼の作品を初期と後期に分け、そのあいだに隔ての
網を張る。しかし魚はこの網をくぐって自由に交通するのだ。 ひと先ずこれを承知の....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
い落すと、明る朝にはまたもや大きく張られている。私が根よく払い落すと、彼も根よく
網を張る。蜘蛛と私との闘は半月あまりも続いた。 私は少しく根負けの気味になった....
「二つの松川」より 著者:細井吉造
まっすぐにさかのぼって来て、乗越の北斜面、与田切《よたきり》川源流に面してかすみ
網を張るのだ。人間の狡智の前には無心なツグミは毎年くりかえされる犠牲にすぎない。....
「不思議な魚」より 著者:室生犀星
南へ高くなって行く。」 そう言ってがっかりした顔付でいたが、隣村の船はそろそろ
網を張るために、船と船との距離をひろげて行くのでした。実際、鰯の大群は煮え立つよ....