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網代笠
「網代笠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
網代笠の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
五月のある日、しぶしぶ雨が降る昼でした。淵の魚はさぞ待っているだろうと、昭青年は
網代笠《あじろがさ》を傘《かさ》の代りにして淵へ生飯を持って行きました。川はすっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の翌日、またも甲府へ向って忍んで行きました。 それは雲水の姿をして行きました。
網代笠《あじろがさ》を深く被《かぶ》って袈裟文庫《けさぶんこ》をかけて、草鞋穿《....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
うもこそあらじと見えつるが、虹汀少しも騒ぐ気色なく、負ひ奉りし仏像を馬士に渡し、
網代笠の雪を払ひて六美女に持たせつ、手に慣れし竹杖を突き、衣紋を繕ひ珠数を爪繰り....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
熱の詩人|在原業平も、流竄の途中に富士を見たのであった。墨染の衣を着た坊さんが、
網代笠を片手に杖ついて、富士に向って休息しているとすれば、問わずして富士見|西行....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
には一剣をも帯びておりません。弁信は例のころもを着て、法然頭《ほうねんあたま》を
網代笠《あじろがさ》で隠しておりました。二人ともに杖は持たず、同じような尺八を携....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
というところまで迫りながら、いずれもラマの兵僧に発見されてしまった。 麻の衣に
網代笠、風呂敷包を腰につけ、脚絆に草鞋という、頭陀行《ずだぎょう》に出る托鉢僧の....
「『鉢の子』から『其中庵』まで」より 著者:種田山頭火
ぽとり、私は冷たい頬を撫でた。笠が漏りだしたのだ。 笠も漏りだしたか この
網代笠は旅に出てから三度目のそれである。雨も風も雪も、そして或る夜は霜もふせいで....
「遍路の正月」より 著者:種田山頭火
一隅の自由しか許されない)、さて、飾るべき何物も持っていない。ただ破れ法衣を掛け
網代笠をさげ※杖を立て頭陀袋を置いて、その前に坐ってぼんやりしているより外はなか....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
笠をくれい」 笠売りは、法師と見て、あいそもなかった。 「坊んさん。あいにく、
網代笠はないよ」 「それや何ンだ」 「初瀬笠ですわい」 「何笠何笠と、よく土地名....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
、やっと残り少なになった頃である。――杖に身をささえ、跛足をひいた一人の若僧が、
網代笠に面をつつみ、施粥の列に交じっていたが、やがて自分の順番になると、鉄鉢を出....