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綴
「綴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
綴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
渡ししてくれと云うことでしたから。」
田中中尉は机の上へ罫紙《けいし》を何枚も
綴《と》じたのを出した。保吉は「はあ」と答えたぎり、茫然と罫紙へ目を落した。罫紙....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
。そこにはまた赤い柿の実が、瓦屋根の一角を下に見ながら、疎《まば》らに透いた枝を
綴《つづ》っている。
老人の心には、この時「死」の影がさしたのである。が、その....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
も泡のようにレエスがはみ出している。
「あの島はサッサンラップと云うのですがね。
綴りですか?
綴りはSUSSANRAPです。一見《いっけん》の価値のある島ですよ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
憶になると、木村少佐は何を思ったか急に立ち上って、室の隅に置いてあった神州日報の
綴《と》じこみを、こっちのテエブルへ持って来た。そうして、その中の一枚を山川技師....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
び還《かえ》って行くじゃありませんか。
が、中でも一番面白かったのは、うすい仮
綴《かりと》じの書物が一冊、やはり翼のように表紙を開いて、ふわりと空へ上りました....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
、大むかし、この木は山谷《やまたに》を掩《おお》った枝に、累々《るいるい》と実を
綴《つづ》ったまま、静かに日の光りに浴していた。一万年に一度結んだ実は一千年の間....
「葱」より 著者:芥川竜之介
古色を帯びた茶ぶ台に過ぎない。その茶ぶ――机の上には、これも余り新しくない西洋|
綴《とじ》の書物が並んでいる。「不如帰《ほととぎす》」「藤村《とうそん》詩集」「....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ぐった芝生の上に、麗《うら》らかな日の光を浴びて、簇々《ぞくぞく》とうす紫の花を
綴っていた。
「だからさ、その然るべき事情とは抑《そもそ》も何だと尋《き》いてい....
「竜」より 著者:芥川竜之介
めて貰うたのじゃ。と申すはこの頃ふとここへ参って、予も人並に双紙《そうし》を一つ
綴ろうと思い立ったが、つらつら独り考えて見れば、生憎《あいにく》予はこれと云うて....
「早春」より 著者:芥川竜之介
前《りょうだいしまえ》にある木などは曇天を透《す》かせた枝々に赤い蕾《つぼみ》を
綴《つづ》っている。こういう公園を散歩するのは三重子とどこかへ出かけるよりも数等....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れいな草地で、そして恰好の良いさまざまの樹草……松、梅、竹、その他があちこちに点
綴して居るのでした。 『ここは妖精の見物には誂向きの場所じゃ。大ていの種類が揃っ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
るか、若くは片手をプランセットに載せるかすると、通信が本人の意識的介在なしに書き
綴られるのである。後者にありては霊媒の手を使わず、時とすれば、ペン又は鉛筆も使わ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
想も僕には愉快ではなかった。が、僕は二三秒の後、Mole を la mort に
綴り直した。ラ・モオルは、――死と云う仏蘭西語は忽ち僕を不安にした。死は姉の夫に....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
、たまたま私の手に入った。最後の夜にその男が弾をこめたピストルを傍らに置いて書き
綴った手記である。私はこれを極めて興味あるものだと思う。絶望の果てに決行されるこ....
「初雪」より 著者:秋田滋
は、明るい家々が深緑の山肌を、その頂から麓のあたりまで、はだれ雪のように、斑に点
綴しているのが望まれた。 海岸通りにたち並んでいる家では、その柵のところに鉄の....