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「綴目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

綴目の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
をしばらく歩き廻っていた。するといくらか気が静まって来て、小粒に光りながら緩んだ綴目の穴から出て本の背の角を匍ってさまよう蠧魚の行衛に瞳を捉えられ思わずそこへ蹲....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
め上げてカッと縁まで射していたが、そのすがすがしい光の中へ、つと紅巾を差し出すと綴目の糸をブツリと切り、解きほぐしたり裏返したり陽に照らして打ち眺めたが、 「は....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
和綴のかなり厚い一冊物で、表紙は茶色の熨斗目模様、じゃばらの糸で綴じてあり、綴目の上下に紫色の切れが張ってあって『心の種』と書いてあります。橘守部の著なので....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た、その初《はつ》おろしをこちら様に読んでいただきたいものでございますから、まだ綴目《とじめ》折らずでございます」 商売柄、如才ないところがある。なんにしても....
栄蔵の死」より 著者:宮本百合子
もう一体に薄墨をはいた様になってしまって居る。 そのぼやけた表紙から、はじけた綴目から、裏まで細々と見てから、中についた幾枚もの写真を、はたで見るものがあった....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を切って使わしてくれたというわけです。だから下のデコボコがあるのです。ここが金の綴目。こんな紙でこの頃の美術学生は勉強しているのですよ。絵具のホワイトもないのよ....
本棚」より 著者:宮本百合子
れて現れた。「当世書生気質」を収録した『太陽』増刊号の赤いクロースの厚い菊判も、綴目がきれて混っている。 こんな本はどれもみんな父や母の若かった時分の蔵書の一....
ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
クロペディア・ブリタニカ》の堆積の上へ落ちた。よりどり一冊六ペンスの古本の切れた綴目の間へ落ちた。 古本屋の向い側に一軒衛生薬具販売店があった。ショー・ウィン....