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綺麗さ
「綺麗さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
綺麗さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
はおもしろい所だと思うよ。室蘭《むろらん》か、函館《はこだて》まで来る間に、俺は
綺麗さっぱり北海道と今までの生活とに別れたいと思って、北海道の土のこびりついてい....
「活人形」より 著者:泉鏡花
処を見せびらかし、「いかにも承知は致したが、まだ不可ません。なにしてしまったら、
綺麗さっぱりとお返し申そうまずそれまでは、とまた懐へ納め、頤を撫でている。「お録....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
あたかも紅玉を鏤めて陽炎の箔を置いた状に真紅に咲静まったのは、一株の桃であった。
綺麗さも凄かった。すらすらと呼吸をする、その陽炎にものを言って、笑っているようで....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
余所の蔵で行詰ったが、いわゆる猫の額ほどは庭も在って、青いものも少しは見える。小
綺麗さは、酔だくれには過ぎたりといえども、お増と云う女房の腕で、畳も蒼い。上原と....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
と引いて斜に構う。面を見合す。) ああ、貴方。私を斬る、私を殺す、その、顔のお
綺麗さ、気高さ、美しさ、目の清しさ、眉の勇ましさ。はじめて見ました、位の高さ、品....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
番頭も半纏の裙をからげたでしゅ。巌根づたいに、鰒、鰒、栄螺、栄螺。……小鰯の色の
綺麗さ。紫式部といったかたの好きだったというももっともで……お紫と云うがほんとう....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
揺るるよ、と思う、微な元結のゆらめきである。 耳許も清らかに、玉を伸べた頸許の
綺麗さ。うらすく紅の且つ媚かしさ。 袖の香も目前に漾う、さしむかいに、余り間近....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
行くようね。)お艶様の言葉に――私、はッとして覗きますと、不注意にも、何にも、お
綺麗さに、そわつきましたか、ともしかけが乏しくなって、かえの蝋燭が入れてございま....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
内。で、婦は奥深く切戸口と思うのへ小走に姿を消した。式台のかかり、壁の色、結構、
綺麗さ。花の影、松風の中に一人立つ大工の目を驚かして、およそ数寄を凝らした大名の....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ネベルグ事件とそれ以後のものを、二つに区分して見給え。僕の持っているあの逆説が、
綺麗さっぱりと消えてしまうじゃないか。つまり、風精は水神のいたのを知って、それを....
「流行唄」より 著者:兼常清佐
少い。それよりも芸者の唄の方が段違いに一般から喜ばれた。私もあのような声は一種の
綺麗さをもっていると思う。表情には乏しいし、力が無いし、音域が狭いが、しかし綺麗....
「小公女」より 著者:菊池寛
えるものよ。それにあの方、ちっとも綺麗じゃアないのね。眼だって変な色だわ。」 「
綺麗さがちょっと違うのよ。なんだか振り返って見たくなるような顔よ。そして睫の長い....
「二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
、ジェラルド太守は不図彼女から顔をそむけ、何か言葉を称えました。瞬く間に彼の姿は
綺麗さっぱり見えなくなり、部屋の中には一羽の可愛い金翅雀が飛び廻っています。 ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
と引受けて下さるのだから、この上我々に迷惑をかけて、徒に自分の不利益を計るより、
綺麗さっぱりと白状して終おうじゃないか」 佐藤司法主任や根岸刑事は、ジリ/\と....
「死の接吻」より 著者:小酒井不木
とが一ばん当を得て居るように思われた。尤も、敏子に対する腹癒せの感情も手伝った。
綺麗さっぱりとはねつけられた返礼としては正に屈竟の手段であらねばならぬ。 こう....