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綿密
「綿密〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
綿密の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
晴れの江戸の町を歩きながら、風呂の中で聞いた悪評を、いちいち彼の批評眼にかけて、
綿密に点検した。そうして、それが、いかなる点から考えてみても、一顧の価のない愚論....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
なのですか。」
「理由? 理由はないが、事実がある。僕はただ西南戦争の史料を一々
綿密に調べて見た。そうしてその中から、多くの誤伝を発見した。それだけです。が、そ....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
たまま、訳読を進めるより仕かたなかった。
しかし生徒の訳読に一応耳を傾けた上、
綿密《めんみつ》に誤《あやまり》を直したりするのは退屈しない時でさえ、かなり保吉....
「或る女」より 著者:有島武郎
ものにもつかず、住まい便利は非常にいいという事……そういう点にかけては、なかなか
綿密に行き届いたもので、それをいかにも企業家らしい説服的な口調で順序よく述べて行....
「或る女」より 著者:有島武郎
その後ろには倉地がいて、あのいかにも疎大らしく見えながら、人の気もつかないような
綿密な所にまで気を配って、采配を振っているのはわかっていた。新聞記者などがどこを....
「星座」より 著者:有島武郎
台には読みさしの英語の本が開いたまま伏せてあったが、その表紙には反物のたとう紙で
綿密に上表紙がかけてあった。男である園は、その部屋の中では異邦人であることをいつ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
かれ始めた。 ちょうど人の肖像をかこうとする画家が、その人の耳目鼻口をそれぞれ
綿密に観察するように、君は山の一つの皺一つの襞にも君だけが理解すると思える意味を....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は生きているのだ。水を考えようとする場合に、それを水素と酸素とに分解して、どれ程
綿密に二つの元素を研究したところが、何の役にも立たないだろう。水は水そのものを考....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
永い間考えてみた末に、これらの哲学者らがこの円運動について些細な点までもあれほど
綿密に研究しておりながら、このあらゆる良匠中の最良にしてまた最も系統的な巨匠の手....
「金属人間」より 著者:海野十三
がい顔をした論文審査委員もあった。しかしけっきょく、これまでにこれだけのすぐれた
綿密《めんみつ》な境地《きょうち》を開いた学者はいなかったので、この博士論文は通....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
してならなかった。 (どうしてそんな風に思うんだろう?) 杜は自分の心の隅々を
綿密に探してみるのであった。別にこれこれと思うものも見当らないのだ。だがそのうち....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
田氏の校訂本によって馬琴の日記を読んだものは、誰でもその記載の事項が細大洩らさず
綿密に認められたのを驚嘆せずにはいられない。毎日の天候気温、出入客来、他出等、尋....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
な適中すといえども、例えば一つの書籍を取りて、この紙数は幾枚ありと問うがごとき、
綿密なることは確答を得ること難し。また、狐、狗、狸、猫のほか種々の獣類至らざるな....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の縞柄から金の員数まで一々細かに尋ねた後に返した。これが縁となって、正直と才気と
綿密を見込まれて一層親しくしたが、或時、国の親類筋に亭主に死なれて困ってる家があ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
要なる仕事に従事せしめる。自由企業等はその年齢外の人々で総て負担し得るように適切
綿密なる計画を立てて置かねばならない。 空軍の発達に依り都市の爆撃が行なわるる....