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緊密
「緊密〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緊密の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第五氷河期」より 著者:海野十三
るまい。おい、多島。吾輩は、君に、ある有力な財閥人を紹介する。そして志々度博士と
緊密なる関係のもとに、協力してやっていくことだ。アメリカに一万人の日本人を収容す....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
すます小さくなり、しかも兵力の増加は敵正面の迂回を不可能にするため、戦争の性質は
緊密に兵器の威力に関係し、全く時代の影響下に入ったものと言うべきである。 攻撃....
「蠅男」より 著者:海野十三
ていたとおり、天王寺公園付近に蠅男は隠れていて、そこを縄ばりとする仲間の誰彼と、
緊密な連絡をとっていたものらしい。 帆村はいまや風前の灯であった。お竜がこの上....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
一のように厭人症にかかっているものには、生むものが人間に遠ざかった生物であるほど
緊密な衝動を受けるのであった。まして、危惧を懐いていた異種の金魚と金魚が、復一の....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
きびした才人めいた風采が聡明そうに秀でた額にかかる黒髪と共にその辺の空気を高貴に
緊密にして居た。がさつな、だらしない風をした沢山の文人のなかに、そういう麻川氏を....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
してちょうど二時三十分、鐘鳴器が鳴り終ってからわずかに五分の後には、蟻も洩らさぬ
緊密な包囲形が作られたのであった。そのすべてが神速で集中的であり、もう事件がこれ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
てゆく地層のうえにある樹々は、どうしたことか直立したままである。攀縁性の蔓植物の
緊密なしばりで、おそらく倒れずにそのまま辷るのだろう――と考えたが、それも瞬時に....
「生の拡充」より 著者:大杉栄
の創造的文芸である。」 今僕は再びこの問題にはいって、この三項の連絡をもう少し
緊密にし、したがって僕のこの主張にさらに多少の内容的明白を加えたいと思う。 生....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
事象と内界とが、常に交渉して居た。其結果として、序歌が出来、枕詞が出来た。交渉の
緊密なものは、象徴的な修辞法になった場合もある。一方|外物託言が叙景詩を分化した....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
、西方に沈もうとする日を、観じている所なのだ。浄土を観念するには、この日想観が、
緊密妥当な方法であると考えたのが、中世念仏の徒の信仰であった。観無量寿経に、「汝....
「兄妹」より 著者:岡本かの子
んで来ていながら袴の裾の処がうすら冷たくずっと下の靴できっちり包んでいる足の先は
緊密に温い。道の土がかわいて処女の均整のとれた体重を程よくうけとめて呉れる。二人....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
自分の才学を振りまわすすばらしい機会が控えていたと同時に、高位高官の人物どもと、
緊密な接触を行なうことができたからであった。接触してみると、自分には特別これらの....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
機に書かれた作品は私(ロラン)にとっておそらく最も親近な作品である。それらは最も
緊密に私の日々へ編み込まれている。第百六番および『荘厳な弥撒曲』に親しんで以来五....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
phonie en Ut mineur『第五交響曲』のあらゆる主要旋律が、互いに
緊密な血族関係を持っていることに驚かされていた。今や、最近の研究家らの或る人々は....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
らば独、自国境の築城は必ず完成されているべきであったし、今後の作戦についても更に
緊密な協同が行なわれたであろう。 戦略的に見れば戦力の著しく劣った仏国は国境で....