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「緋桜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

緋桜の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
《すご》いような心持が致します」 「そうですか、アハハハハ。荒川《あらかわ》には緋桜《ひざくら》と云うのがあるが、浅葱桜《あさぎざくら》は珍らしい」 「みなさん....
明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
れ、打《うち》かこちた姿である。 鎌倉時代から室町の頃にかけては、前期の女性を緋桜《ひざくら》、または藤の花にたとうれば、梅の芳《かんば》しさと、山桜の、無情....
魔都」より 著者:久生十蘭
んとなくジャズめく当代の喜見城《リュウ・ド・プレジール》。 春になれば、並木の緋桜が婀娜《あだ》っぽい花を咲かす五十間道路のとっつきから仲之町の方へ五六軒、麻....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
さん、こんにちは。……こないだは、よくもおきらいなすッたね。……ひとが、せっかく緋桜の枝を持って行ってあげたのに、木で鼻をくくったようなあいさつをしてさ。……き....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
雪なす爪先が、死んだ蝶のように落ちかかって、帯の糸錦が薬玉に飜ると、溢れた襦袢の緋桜の、細な鱗のごとく流れるのが、さながら、凄艶な白蛇の化身の、血に剥がれてのた....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
母にしてこの娘である。……雪の下を流るる血は、人知らぬ篝に燃ゆる。たとえば白魚に緋桜のこぼるるごとく。―― これは蒼鬣魚を見て、海底の砂漠の影を想ったような空....