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総和
「総和〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
総和の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の中に、お前がお前の存在を有っているように、私もまたその全体の中で厳しく働く力の
総和なのだ。お前は地球の地殻のようなものだ。千態万様の相に分れて、地殻は目まぐる....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
た。それで一つ一つの種族が自分だけでこの広大な外界から獲得することのできた経験の
総和は到底範囲の大きいものにはなり得なかった。そうして種族中で一番知恵のある人間....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
彼はなお、もし物質に最小限がなければ、最小なものでも無限を包蔵し、従って微分と
総和の区別がなくなるという哲学者流の議論をしている。このあたりの議論はおそらく科....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
が無効な場合におけるその一つの因子の及ぼす効果だけを知れば、それらの個別的効果の
総和が実際の共存的場合の効果を与えるか、というと、決してそうばかりでないというこ....
「電車の混雑について」より 著者:寺田寅彦
き間隔に少しずつの異同を生じ、理想的にはたとえばTであるべき間隔が T+ΔT の
総和は零になるわけである。 ある停留所に電車が到着する時刻の齟齬の状況は、もし....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
う。併し最も注意すべきは、この場合、形式と内容とが必ず相互の連帯性――之が単なる
総和ではなくして正に具体的な総合と思われているからこそ問題なのであるが――は、も....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
実的ではない。事実とは、すでに発生して了って一応固定した処の、所謂過去との連関的
総和に於て、初めて事実となるのである。そこにこそ初めて歴史の原理が横たわる。で、....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
ない。」七、「西洋経済学説は経済を以て個人の物質的慾望を充足するための活動の連関
総和なりとしている、我が国民経済は然らず。物資は啻に国民の生活を保つがために必要....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
何となく古典物理学のエーテルを云っているようで面白い。「故致数車無車」を「部分の
総和は全体ではない」と訳しているのでも、当否は別としてやはり面白い。欠けた硝子片....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
。つまりは遠い昔から近い過去までのあらゆる出来事にそれぞれの係数を乗じて積分した
総和が眼前に現われているに過ぎないのではあるまいか。 こんな事を考えたりしなが....
「物質とエネルギー」より 著者:寺田寅彦
おらぬのである。かくのごとく定めた energy なるものがあらゆる変化に際して
総和において変らぬというのがいわゆる勢力不滅則である。 仕事と云いエネルギーと....
「方則について」より 著者:寺田寅彦
というものがある。第一項に第二項を加え更に第三第四と無限の項を附け加えると、その
総和は有限なものになる。例えば 1+1/22+………………… ad inf. の....
「帝展を見ざるの記」より 著者:寺田寅彦
のは分らない。ロダンでさえ分らないくらいである。それで帝展の彫刻から受取るものの
総和はむしろやはり一種の怪奇の感だけである。 ここまで書いた時に私はふとあの有....
「九代目団十郎の首」より 著者:高村光太郎
の発展期たる日露戦争直前に生を終ったわけである。彼は俳優という職業柄、明治文化の
総和をその肉体で示していた。もうあんな顔は無い。之がほんとのところである。明治文....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
―拷問の恐怖で吐き出された偽証の構成で作り上げられた。こういった、ああいった、の
総和であり、何年も前のある日の会話やら、けっして書かれたことのない手紙の寄せ集め....