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「総決算〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

総決算の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
正義と微笑」より 著者:太宰治
に苦しみ抜いた揚句の果に、ぽとりと一粒結晶して落ちた真珠の姿か。あの永い苦悩の、総決算がこの小さい、寒そうな姿一つだ。すれちがう人、ひとりとして僕の二箇年の、滅....
読書法」より 著者:戸坂潤
ナンセンスと露骨な階級的意図が、見事に裸にされている。これは宗教復興現象に対する総決算になるといっていい。 併し、この本で欠けているものは宗教思想史である。之....
惜別」より 著者:太宰治
から徐々に行われていたのは事実であるが、しかし、あの「幻燈事件」は、少くともその総決算の口実の役目を勤めたという事は認めざるを得ないのである。謂わば、周さんの仙....
思い出草」より 著者:寺田寅彦
うが、やはりいくら味わっても味わい尽くせない句であると思う。これは芭蕉の一生涯の総決算でありレジュメであると同時にまたすべての人間の一生涯のたそがれにおける感慨....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
れからはずっとその人にやっかいになって来たが、先天的の悪い素質と後天的不養生との総決算で次第にかんで食えるものの範囲が狭くなって来た。柔らかい牛肉も魚のさし身も....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
イデオロギー発生の説明・イデオロギー性発生の説明・イデオロギー性の系譜的論証)の総決算として初めて現われたものでなければならぬという点だ。事実、誤謬を指摘し、誤....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
に喧伝されるということは、だから決して偶然ではない*。 * エム・ミーチン「討論総決算に伴う哲学戦線上の当面の活動任務」――一九三一年、アー・マキシモフ「レーニ....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
して展開されることとなるのである。――そしてドイツ観念論による自由概念の一時的な総決算がここから始まるのである(所謂「大学の自由」もこの自由の一部分である処の「....
辞典」より 著者:戸坂潤
ヘーゲル哲学体系の崩壊として知っているのである。蓋しヘーゲル哲学はドイツ観念論の総決算であり、そしてドイツ観念論は従来の観念論の総決算であったから――かくて唯心....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
下に』諸論文や、ラリツェヴィチの『二つの戦線において』や、ミーチンの『哲学論争の総決算と反宗教宣伝』や、論争の成果に基いて書かれたウォルフソン、ガツク共著『史的....
丹下左膳」より 著者:林不忘
贈り物をさしだす。 もうすっかりすんだころと思ってきょう締め切ろうと、ああして総決算にかかったところへ、また一人、この石川家の竹田がやって来たというわけなので....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
暁が、近代小説への道に逆行していることは事実で、偶然を書かず虚構を書かず、生活の総決算は書くが生活の可能性は書かず、末期の眼を目標とする日本の伝統的小説の限界内....
猫と杓子について」より 著者:織田作之助
ての新しい戦慄といっても過言ではないと僕はまァ思いました。日本の文学は結局生活の総決算の文学であり、人間を描いても、結局心境のありのままを描くだけですが、ジャン....
今年印象に残れる作品」より 著者:平林初之輔
〈大正一五年度探偵小説壇の総決算〉 本年度に於て発表された、創作並びに翻訳探偵小説中、貴下の印象に残って....
哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
真に内部的な連関に立っている処の芸術特有の精神的なリアリスティックな感受性との、総決算としての印象(之はおのずから露出するのだ)こそが、事実、芸術的印象の正直な....