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「総領息子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

総領息子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
所を通りかかった。芝の田町《たまち》に小伊勢という小料理屋がある。巳之助はそこの総領息子で、大森の親類をたずねた帰り道であった。この頃はいろいろの忌《いや》な噂....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
言は忠臣蔵の三段目、四段目、五段目、六段目、九段目の五幕《いつまく》で、和泉屋の総領息子の角太郎が早野勘平を勤めることになった。角太郎はことし十九の華奢《きゃし....
食魔」より 著者:岡本かの子
ながら彼は未だ嘗て尊敬というものをされたことがない。大寺に生れ、幼時だけにしろ、総領息子という格に立てられた経験のある、旧舗の娘として母の持てる気位を伝えている....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
六所明神の御祭礼、その名物の闇祭りを一度見物いたしたいと申しまして、おかみさんと総領息子、それにわたくしと若い者の孫太郎と、都合四人づれで六ツ半(午前七時)頃か....
小祝の一家」より 著者:宮本百合子
どんな偉い運動をやっているか知らんが、こっちでは一家五人が飢え死にしかけている。総領息子の貴様はどうしてくれる。金をよこさないのなら、手足まといのミツ子を小包に....
鈍・根・録」より 著者:宮本百合子
燭の光が花と花との間に瞬いている祭壇の方を見やりながらわたしは、娘というより寧ろ総領息子のような風で、 「おかあさまがあとにおのこりになったら、万事に不満ばかり....
その年」より 著者:宮本百合子
沈黙はどちらからともなく解《ほぐ》れ、お茂登はいかにも助け合って商売をして来た総領息子に向う口調で、 「さっき、学校で、佐藤さんが、トラック四千円なら会社へ売....
道標」より 著者:宮本百合子
うと思うんです」 ありのままを、ありのままに話しているうちに、伸子は、和一郎が総領息子として子供のときから母親との関係のうちにつみ重ねて来ている特権のようなも....
惜別」より 著者:太宰治
周さんの打明け話を聞いて、かなり感動した。私みたいに、ただ、親が医者だから、その総領息子の自分もまた医者、というようないい加減な気持で医専に入学したのではなく、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
さいました。八時に内藤のタクシーを呼んで、お母さん、多賀子、私、河村さんの細君と総領息子と金物やの娘がのり、助手台へうちの倫公が、すすはきに使いそうな笹っ葉をく....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
目のひとは、名も覚えて居りませんが亡くなり、今四人目の妻君です。そういう工合で、総領息子とほかの子と折合いがよくない上、細君が段々下落して来て(心や頭が)何とも....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
て来た一人は彼の真正面に向っていた。これも阿Qの大嫌いの一人で、すなわち錢太爺の総領息子だ。彼は以前城内の耶蘇学校に通学していたが、なぜかしらんまた日本へ行った....
あのころ」より 著者:上村松園
夏は帷子、冬はお召などを売る店として京都では一流だったそうです。 この貞八が総領息子に麩屋町六角に質店をひらかせましたが、三年目には蔵の中に品物がいっぱいに....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
しました。祖父は以前は何もかも祖母任せの鷹揚な人だったと思いますが、祖母を先だて総領息子を亡くして、その上あの伯母に家出をされ、従姉に(あなたが私と一しょに考え....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
して、お家騒動を引起したものです。現在、菊子さんが行くことになっている松島さんの総領息子は抱えの娼妓と今年の正月駆落したりして大騒動をやったのです。……そこへ菊....