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緑の髪
「緑の髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緑の髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
うとも知らずに、飛んだ失礼を申しまして」と嘯《うそぶ》きながら頭を低《た》れた。
緑の髪がまた動く。 「京都におった時、大変世話になったものですから……」 「だか....
「草枕」より 著者:夏目漱石
、せっかくの嫦娥《じょうが》が、あわれ、俗界に堕落するよと思う刹那《せつな》に、
緑の髪は、波を切る霊亀《れいき》の尾のごとくに風を起して、莽《ぼう》と靡《なび》....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
に因って、時々来ては攫えて行く……老若男女の区別は無い。釣針にかかった勝負じゃ、
緑の髪も、白髪も、顔はいろいろの木偶の坊。孫等に人形の土産じゃがの、や、殿。殿た....
「縮図」より 著者:徳田秋声
もあった。 狭苦しい銀子の家も、二階の見晴らしがよくなり、雨のふる春の日などは
緑の髪に似た柳が煙り、残りの浅黄桜が、行く春の哀愁を唆るのであった。この家も土地....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
の方打ちながめては笑み、風雨の音に耳傾けては静かに思いに沈みており。揚巻に結いし
緑の髪には、一|朶の山桜を葉ながらにさしはさみたり。二人の間には、一脚の卓ありて....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
、津軽の大浦というところに人魚はじめて流れ寄り、其の形は、かしらに細き海草の如き
緑の髪ゆたかに、面は美女の愁えを含み、くれないの小さき鶏冠その眉間にあり、上半身....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
だった。 すでに甘味だから、ペトラはあの、アンダルシアの荒野に実る黒苺みたいな
緑の髪と、トレドの谷の草露のように閃めく眼と歯をもつ生粋のすぺいん児だったが、仮....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
四月の潮の高まり沸き立つのを感じてる動物のように、朝日の光に身を震わして、豊富な
緑の髪を風に打ち振りながら、湿った土地の上に、腐食した立像の上に、家のこわれかか....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
き入れられ、金色に輝く全身の生毛に、人魚を夢見つつ、つぶやくのだった。 「うむ、
緑の髪を持った女――さっき渚から這い上がったとき、たしかに儂は、貝殻のような小さ....