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緑地
「緑地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緑地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
ある。そのうえで、私の苦しい気持は、はじめてほがらかになることだろう。 私は常
緑地帯を歩きつづけながら、その暗い葉隠れのすきまからキラキラする星座をあおいで、....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
も憎んでおりません。 何事も報いられぬこの世に……神も仏もない、血も涙もない、
緑地《オアシス》も蜃気楼《しんきろう》も求められない沙漠のような……カサカサに乾....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
い家が、油虫のように無数にかたまって建っている、と思うと、ぱらりと開けてわずかな
緑地が見えてサラリイマンの住宅らしい赤瓦の小さな屋根が、ちらりほらり見える。僕は....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
あまり美事の出来だからと云うて、廻沢から大きな水瓜唯一個かついで売りに来た。
緑地に黒縞のある洋種の丸水瓜である。重量三貫五百目、三十五銭は高くない。井戸に冷....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
いっても、たっぷり二時間はかかったが)見ることが出来ただけだった。 家の前面の
緑地の周囲に、椰子《やし》の葉や、荒布で囲われた仮小舎が並び、大きな矩形《くけい....
「南路」より 著者:宮本百合子
》は頸に鈴を鳴らして、白い夕月の淡い空の下を、のろのろと旅行する。オアシスという
緑地もある。恐ろしい禿鷹の影も映るそうだ、ということなどを、漫然心のどこかに止め....
「火星兵団」より 著者:海野十三
山の上をとびこし、それから、緑のもうせんを、きちんと、ごばん目にしきつめたような
緑地帯の上をはしりぬける。すると、その向こうに、こんもりとしげった、たいへん大き....
「小春」より 著者:国木田独歩
。 しかもわれはこの経過を。 かるが故にわれは今なお牧場、森林、山岳を愛す、
緑地の上、窮天の間、耳目の触るる所の者を愛す、これらはみなわが最純なる思想の錨、....
「山の手の子」より 著者:水上滝太郎
軒には燕《つばめ》の子が嘴《くちばし》を揃えて巣に啼いた。氷屋が砂漠《さばく》の
緑地のようにわずかに涼しく眺められる。一日一日と道行く人の着物が白くなって行くと....
「高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
あり、深い奥行がある。 東京の街路の中のロータリー、芝草と数株の灌木との僅かな
緑地、あの中に、ひらひらと飛んでいる一匹の蝶は、人の微笑を誘う。この種のものを、....
「ヒロシマの声」より 著者:豊島与志雄
に大公園を設け、橋梁を修理し、河川を清掃し、放水路を作り、広い街路を通じ、河岸の
緑地遊歩場を拵え……おう、限りなく仕事がある。 他方には、前述の老婦人が指摘し....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
は容易であった。一夜、満月の明るい晩ついに私は目的をとげ、土耳古美人の住んでいる
緑地へまで落ち延びた。常磐木、泉、土人の小屋、他には魚が泳いでいるし木々には小鳥....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
うものさ。戦争の焼跡を利用して、都市計画を実施し、大道路を新設したり、工場地帯、
緑地帯、住宅地帯を区劃する。焼けなければそう完全に急速に行うべからざる工事ができ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
浜路 一陣の※風送春を断す 名花空しく路傍の塵に委す 雲鬟影を吹いて
緑地に粘す 血雨声無く紅巾に沁む 命薄く刀下の鬼となるを甘んずるも 情は深くして....
「画道と女性」より 著者:上村松園
地のものと対象させることにしたくらいより変更しなかった。もっとも屈んだ女の帯の濃
緑地の上に、金糸の刺繍を見せた泥描きの模様を、新規のものはお目出度い鳳凰模様とし....