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緑茶
「緑茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緑茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
来た仏蘭西出来の茶碗《ちゃわん》なぞを盆の上に載せ、香ばしいにおいのする国の方の
緑茶を注《つ》いで岡に勧めた。
この画家の顔を見ていると、きまりで岸本の胸に浮....
「狂人は笑う」より 著者:夢野久作
ですね。それが崑崙茶の新芽を恭しく受取って、支那人一流の頗付きの念入りな方法で、
緑茶に製し上げるのです。それから附近の清冽な泉を銀の壺に掬んで、崑炉と名づくる手....
「道標」より 著者:宮本百合子
るんで派手な訪問着の前褄がカーペットの上にずりおちた。
つや子がいれて来た熱い
緑茶を、ゆっくりひとくちずつのみながら、多計代は、
「お前がたのお父様ってかたは....
「伸子」より 著者:宮本百合子
ー》婦人と一緒であった。 「よろしかったらどうか来て下さいな。久しぶりで、日本の
緑茶のおもてなし致しますよ。ね、いいでしょう?」 伸子は、あまり云われるので断....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
葉之助は苦笑したが、今はのっ引きならなかった。で、一息にグーと飲んだ。日本の
緑茶とは趣きの異った、強い香りの甘渋い味の、なかなか結構な飲み物であった。 「珍....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
に憚るような深い溜息を洩らして、腰をあげることを忘れていた。しかし彼の眼が少女の
緑茶色の袴の裾からはみだした白足袋をはいた透きとおるような柔かい形のいい脚に落ち....
「身辺打明けの記」より 著者:宮本百合子
い酸っぱさを含んだものがたべられないのです。 飲料 わたくしは
緑茶をずいぶん飲みます。御飯をたべるにも
緑茶を飲み飲みたべるのです。ですから人に....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
で、END。 和蘭で感心するもの、雲の変化。 かんしん出来ないもの、人心と
緑茶――とにかく私たちはホテルでこの茶を飲まされ、ふたりとも二十四時間立てつづけ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ある棚、かがみのついた)のところへひっぱってゆくから、何かと思ったらあれでした。
緑茶の話が出ていて、笑ってしまいました。咲枝、動坂の家を知って居りますからね、あ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
う人の準備を聞くことが出来て、今日はどうぞこの包みが間に合うように、と願いながら
緑茶を小さいカンにつめたり、かつお節をけずったり、紀《タダシ》さんに頼んで夜光磁....
「死因の疑問」より 著者:豊島与志雄
てる仲だった。 二人は炬燵にはいって向い合っていた。側の卓上には、菓子や果物、
緑茶と紅茶、ウイスキーとビールなど、取り散らされていた。この最後の二品は、二人の....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
意らしく、何杯となくおかわりをして奥儀をお示しになる。 ところでたまたま日本の
緑茶が出ると先生はえらい音をたててズーズーと啜りこむ。安心してついうっかりやって....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
い出してしまうのだった。 清子の茶粥は善福寺の老和尚からの直伝である。極上等の
緑茶で仕立てる。はじめっから茶汁でコトコト煮るよりは、土鍋の粥が煮あがるちょっと....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
む。みかん、お茶をいただく、たれが入れたのか、煎茶茶碗に、ひかえ目に注がれて来た
緑茶のうまかったこと。お茶では、旅中第一味。 図書室の神戸市史など拝借して、町....