編目[語句情報] » 編目

「編目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

編目の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
斜陽」より 著者:太宰治
ああもう、こうしてお母さまに教えていただく事も、これでおしまいと思うと、つい涙で編目が見えなくなった。 お母さまは、こうして寝ていらっしゃると、ちっともお苦し....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
「声がする。待てよ。女の声のようだが――。」 ふかいつづら笠に面体は隠れて、編目の隙に、きらりと眼が光るだけだが、道中合羽《どうちゅうがっぱ》に紺脚絆《こん....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
にかまわず、いろいろな色の毛糸を買って来て、伸子は老父の滞在中、毎晩編物をした。編目がじきのびて、みっともなくなってしまうにちがいない裏あみばかりで、義理の姪に....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
貼りついて永劫きえぬ 眼! コンクリートの上の、筵の藁の、どこからか尿のしみ出す編目に埋めた 崩れそうな頬の 塗薬と、分泌物と、血と、焼け灰のぬらつく死に貌のか....
千世子」より 著者:宮本百合子
様に目をやったけれ共、二人ともよそを見てたもんでしまつのわるくなった目を籐椅子の編目をくぐらせてカーペットの花模様の上におっことした。 「どれ――御馳走の指図....
南島譚」より 著者:中島敦
たものだと言い、手に提げた椰子の葉のバスケットを私の前に差出した。椰子の葉の粗い編目の間から、一羽の牝※《めんどり》が首を出してククーと鳴いた。此の※《にわとり....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
た顔の半面に、蒙古風の顴骨を小高く露出させ、身近に置かれたるマルセイユ人の手籠の編目へ鼻の先を突っ込んで睡眠しているのは、多分その中にしかるべき滋養物でも嗅ぎつ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
光の途に就く。サンマース氏夫婦および大場氏、余を送りて停車場に至る。その紀行は別編目となす。 明治四十四年七月、英京ロンドン客中にわかに思い立ち、北極海観光の....