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「緩し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

緩しの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
変なあたま」より 著者:辻潤
昂奮緊張させるものでその状態から回復した後は反動としてこんどはまたひどく神経が弛緩してしまうものらしい。自分がながい間まことにぼんやりしているのはそのためだと思....
ふもれすく」より 著者:辻潤
したことは一度もないのである。 同棲してから約六年、僕らの結婚生活ははなはだ弛緩していた。加うるに僕はわがままで無能でとても一家の主人たるだけの資格のない人間....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
、国民皆兵の制度が乱れて傭兵に堕落する。その時から漢民族の国家生活としての力が弛緩しております。今日まで、その状況がずっと継続しましたが、今次日支事変の中華民国....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
われた。全身にも、単純失神特有の徴候が現われていて、痙攣の跡もなく、綿のように弛緩しているけれども、不審な事には、仄のり脂が浮いている鎧通しだけは、かなり固く握....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
子が……殺された……」 若者は思わずこう云つたが急に今まで緊張していた表情が弛緩して、ぼんやりした目つきになり、唇がだらりとたれ下つた。 この様子を見ると、....
「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
としての手首、あるいはむしろ手首の屈曲を支配する筋肉は、少しも強直しない、全く弛緩した状態になっていて、しかもいかなる微細の力の変化に対しても弾性的に反応するの....
映画と生理」より 著者:寺田寅彦
頭の中にへばりついたようなぐあいになってそれがなかなか消散しない。用がすんだら弛緩してもいいはずの緊張が強直の状態になってそれが夜までも持続して安眠を妨げるよう....
続獄中記」より 著者:大杉栄
的生活は広い。いくらでも逃げ場所はある。したがってそこに住む人間の心はとかくに弛緩しやすい。本当に血の滴るような深刻な内面生活は容易に続け得られない。その他種々....
わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
十一の時、神経衰弱になったことがあった。この時は、耳がきこえなくなり、筋肉まで弛緩して、野球のボールが十米と投げられず、一米のドブを飛びこすこともできなかった。....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
彼らは内心不満なきを得ず、したがって責任を感ずることも薄く、仕事に対する態度も弛緩して人一人の持つ能力が発揮されていない。加うるに俸給が少ないため内職等に精力を....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
痛痒さを覚えるので、それを自から掻こうとしても、手の先は巧く思う壺に達せぬ事を怠緩しがった。 それや、これや、中々に眠りに就けなかった。寝られぬままに考えると....
道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
ないのである。かの平将門が関東で割拠独立を図ったのは、当時朝廷の綱紀が甚だしく弛緩して、中央政府の威令が遠方に及ばぬ様な、至って混乱した時代であったが上に、彼は....
日を愛しむ」より 著者:外村繁
を散りこぼしている。 静かである。珍しくラジオも停止している。まるで総べてが弛緩してしまったような静けさである。また、あまりにも適当な温度のため、感覚が鈍化す....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
せん。急がず騒がず大道を歩いてゆく心がけが肝要であります。 だと申してまた、弛緩した心でいて、俳句は古くてもいいのだ、どうでも十七字さえ並べておれば進歩しなく....