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緩める
「緩める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緩めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
まわっている。
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広い暗の中にまわっている地球。地球はまわるのを
緩めるのに従い、いつかオレンジに変っている。そこへナイフが一つ現れ、真二つにオレ....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
てえばなりますから、胸倉を押えていては脱げませんから緩めて」
前の奴のうっかり
緩める処を見て、
花「なにをなさる」
といいながら一人の奴の帯を取ってぽんと....
「淫売婦」より 著者:葉山嘉樹
ら、俺は下の敷石へ突き落されちまうじゃないか。私は押した。少し開きかけたので力を
緩めると、又元のように閉ってしまった。 「オヤッ」と私は思った。誰か張番してるん....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
になり、七、八歳の小童から、中学生まで、往来を通るにも、西の大壁を仰向いて、足を
緩めるようになった、初めはくさしていた大人も、南向きの白鳥の、優しく、長く、延べ....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
中の官庁街を駆け抜けて行きました。 軈て僕の乗った自動車は三十|哩の最大速力を
緩めると共に一つの角を曲りました。警笛を四隣のビルディングに反響させ乍ら、自動車....
「槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
休息の合図をした。(立ちながら休むときは、脊の担い梯子へ、息杖を当てがって、肩を
緩めるので「一本立てる」というのである。) 殺生小舎から槍ヶ岳までは、猟師仲間....
「青年」より 著者:森鴎外
見覚えのある生垣や門が見えるようになってからも、先方の思わくに気兼をして、歩度を
緩めるような事はなかった。あの奥さんがどう迎えてくれるかとは思ったが、その迎えか....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
て、唄い棄てた。……饂飩屋の門に博多節を弾いたのは、転進をやや縦に、三味線の手を
緩めると、撥を逆手に、その柄で弾くようにして、仄のりと、薄赤い、其屋の板障子をす....
「書斎を中心にした家」より 著者:宮本百合子
活するのですから、客間、食堂、寝室などと云うものは、皆、勉強部屋での、深い緊張を
緩める処、やや疲れた頭の慰安処として、考案されなければならないのです。 私は、....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
「機関をうんとかけて、渦巻の反対の方向へ舵機を廻したら、少しは、急速度な回転を
緩めることは出来ませんか」陳君は、機関士らしいことを云った。 「それは、徒労さ。....
「カントと現代の科学」より 著者:戸坂潤
によれば月及び太陽の引力によって引き起こされる潮の満干の運動が地球の回転の速さを
緩める事が明らかとなる。たとえその計算があまり厳密ではなかったにしても、又たとえ....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
、此種の女の敏感に伴う微な身慄いを身体中に走らせたが、最後に歪めた眼をだらしなく
緩めると力の抜けた様にパンもナイフもテーブルへ抛げ出して云った。 ――やっぱりそ....
「尊攘戦略史」より 著者:服部之総
には一ぶでも貿易の恩沢にはあずかれなかったのだ。 ともかく参覲交代を三年一度に
緩めること、在府期間の減少、妻子帰国の許可、江戸諸家臣の減少等々の一大改革は、そ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
がら滑って、徐かに籠めて、
そこでも、ここでも火を消しながら闘ってくれ。
苦艱を
緩める力のある、湿ったお前達は、
あの虚妄の※の戯を、
熱くない稲妻に変ぜさせて....