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「緩やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

緩やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
かして地球の周囲を太陽太陰が回るとし、また後には諸遊星も同様であると考え、恒星は緩やかに回る球形の殻に固着されているものと考え、そうして地球は二四時間に一回転す....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
。 私達の乗った馬は、倶楽部中で一番優れたものだったし、岬の坂道は思ったよりも緩やかだったので、それから十分としないうちに私達は深谷邸の玄関に辿りついた。折か....
白妖」より 著者:大阪圭吉
ペが谷へ滑り込んだそれらしい痕がみつかった。 「この辺なら下りられますね。傾斜は緩やかなもんですよ」 夏山警部補はそう云って、山肌へ懐中電燈をあちこちと振り廻....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
屋を入れることになりました。 どこの大名でも旗本でも下屋敷の方は取締りがずっと緩やかで、下屋敷ではまあ何をしてもいゝと云うことになっていました。殊にそれがお嬢....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
お言葉の中からひょいんな気付きでは御座いますけど、その矢車と云うのは、いつも通り緩やかに回っていたのでは御座いませんでしたか」と静かに訊ねると、一端お筆は、眩ん....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
ばかりにして転がるように馳け出していった。が、次の瞬間もう二人の姿は、道路と共に緩やかな弧を描いて北側へカーブしている、秋森家の長い石塀の蔭に隠れて、そのまま見....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
となく非現世的な夢幻的なものに包まれていて、その清洌な陶酔に輝いている両眼、唇の緩やかな歪みなどを見ると、そこから漲り溢れて来る異様なムードは、この血腥い情景を....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
を胸に貯えているので、警戒を一層引締て掛ったのだ。 今度の巡検使は、厳しいか、緩やかなのか、領内の者が脈を引いて見るのは、最初の宿の三島という事に代々極ってい....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
来ていた。それを越して眺められる町の屋根から空も、寒さに張り詰めた息をすこし洩す緩やかな光が添った。だが冬の続きの白雲はまだ青空に流水の険しさを見せて、層々北か....
狂人日記」より 著者:秋田滋
をひと撃ちで割った。頭から血が流れ出した。脳漿が入り混った、薔薇色の血! それは緩やかに川の中に流れ込んだ。私は落著いてゆるゆるとそこを去った。誰かが私がしたこ....
簡潔の美」より 著者:上村松園
ています。 ですから能楽には無駄というものがありません。無駄がないのですから、緩やかなうちにキッとした緊張があるのでしょう。 能楽ほど沈んだ光沢のある芸術は....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
。家は小さいが木は多いから、さすがに柱は太い。村というても平地は殆どないが、やや緩やかな傾斜地に麦が作ってある。畑の中には大きな石がゴロゴロしている。家の廻りに....
六日月」より 著者:岩本素白
のだが、そういう楽器で、名手の割に余り世にも持て囃されない検校さんに、「残月」の緩やかな手のところでも弾いて貰ったら、或は調和するかも知れない。 そんな詰らぬ....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
一日の仕事を終え帰路につきつつある彼女等は決して急ごうとはしない。のさりのさりと緩やかな歩みを運んで行く。峠を下る頃、全く紅葉し尽した大嶺の南面一帯が、今、沈も....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
れ、かつ我が実力の増加に依り範囲は拡大せらるるのである。協同の方式も最初は極めて緩やかなものから逐次強化せられる。即ち国家主義全盛時代にも言われた善隣とか友邦と....