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練り
「練り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
練りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外科室」より 著者:泉鏡花
傘《ひがさ》を指し翳《かざ》して、裾捌《すそさば》きの音いとさやかに、するすると
練り来たれる、と行き違いざま高峰は、思わず後を見返りたり。 「見たか」 高峰は....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
その牛を捕えやりつつ擁護の任を兼ね、土を洗い去られて、石川といった、竪川の河岸を
練り歩いて来た。もうこれで終了すると思えば心にも余裕ができる。 道々考えるとも....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の幽霊。面を並べて、ひょろひょろと蔭日向、藪の前だの、谷戸口だの、山の根なんぞを
練りながら今の唄を唄いますのが、三人と、五人ずつ、一組や二組ではござりませんで。....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
の秘術を見しょう。と思うのが汽車の和尚じゃ。この心を見物衆の重石に置いて、呼吸を
練り、気を鍛え、やがて、件の白蔵主。 那須野ヶ原の古樹の杭に腰を掛け、三国伝来....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
前から道頓堀、新地をかけて宝市の練に出て、下げ髪、緋の袴という扮装で、八年ぶりで
練りますから。」 一言、下げ髪、緋の袴、と云ったのが、目のあたり城の上の雲を見....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
いたるも多日がほどぞ。 振のむずかしき、舞の難き、祭礼に異様なる扮装して大路を
練りありくそれとは同じからず。芸に忠にして、技に実なる、小親が世における実の品位....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
今でも奥州方面の山間へ行くとある「でっち」というものが使われた。それは松脂の蝋で
練り固めたもので、これに類似した田行燈というものを百姓家では用いた。これは今でも....
「著作権の問題」より 著者:伊丹万作
なわち、まず先決問題としては立法の基礎となるべき草案をあらかじめ我々の手によつて
練り上げておくことであり、第二の段階としては、従業員組合の組織をつうじて、あらゆ....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
の揮毫を、上納申し上げるようにという御用命を拝したのでございました。早速、構想を
練り「雪月花」の三幅双の小構図を美濃紙に描き、伯爵を通じてお納めいたしますと、「....
「京の夏景色」より 著者:上村松園
、よいさっさ 江戸から京まではえらいね そんな風にうたって男の子同志で町内を
練り歩いたものでした。 その頃にはまた、おしろんぼなどという遊びもありまして、....
「山吹」より 著者:泉鏡花
照金剛。――南無大師遍照金剛――遠くに多人数の人声。童男|童女の稚児二人のみまず
練りつつ出づ―― 稚児一 (いたいけに)南無大師遍照金剛。…… 稚児二 (なおい....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
おなじように、金沢は、廂を越すほどの幌に、笛太鼓|三味線の囃子を入れて、獅子を大
練りに練って出ます。その獅子頭に、古来いわれが多い。あの町の獅子が出れば青空も雨....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
る。聡明な眼識を持っていたがやはり江戸作者の系統を引いてシャレや小唄の粋を拾って
練りに
練り上げた文章上の「穿ち」を得意とし、世間に通用しない「独りよがり」が世間....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
宴はまだ果てず、十三夜の月はこのよい日を照らしている。) 当日の食品中、日本の
練りようかんおよびヒキ茶のアイスクリーム、もっとも来客の称賛を得たり。散会の後、....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ドコ。その響きがまことに珍妙なのである。村の子供が東と西に分かれ、太鼓をかついで
練り歩くけんか祭だ。チョーイなんぞい! 東所がなんぞい! お前なんかに負けるかい....