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「縁起〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縁起の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
え、これは禍《わざわい》を転じて福《さいわい》とする代りに、福を転じて禍とする、縁起《えんぎ》の悪い聖母だと云う事ですよ。」 「まさか。」 「ところが実際そう云....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
言うことです。「ふ」の字軒の主人も、――いや、「ふ」の字軒の主人は笑ううちにも「縁起《えんぎ》でもねえ」と思ったと言っていました。 それから幾日もたたないうち....
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
のらしかった。僕は又何か日の光の中に感じる筈《はず》のない無気味さを感じた。 「縁起でもないものを拾ったな。」 「何、僕はマスコットにするよ。……しかし 190....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
おまけに今の騒動があった後ですから、いつ何時この車もひっくり返りかねないような、縁起の悪い不安もあるし、ほとんど生きている空はなかったそうです。殊に車が両国橋へ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
聞くよ。」 と案外また英吉は廉立った様子もなく、争や勝てりの態度で、 「しかし縁起だ、こりゃ一本貰って行くよ。妙子が御持参の花だから、」 「…………」 「君が....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
を呼留めて、これは罪人か――と問わしつけえよ。 食物も代物も、新しい買物じゃ。縁起でもない事の。罪人を上積みにしてどうしべい、これこれでござる。と云うと、可哀....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
ようと思うね。」 「まず、ご免じゃ。」 「さらば、其許は目を瞑るだ。」 「ええ、縁起の悪い事を言わさる。……明日にも江戸へ帰って、可愛い孫娘の顔を見るまでは、死....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
塗の欣八と云う。これはまた学問をしなそうな兄哥が、二七講の景気づけに、縁日の夜は縁起を祝って、御堂|一室処で、三宝を据えて、頼母子を営む、……世話方で居残ると…....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
の狐の提灯で道を照す……」 「可厭ではございませんかね、この真昼間。」 「そこが縁起じゃ、禁厭とも言うのじゃよ、金烏玉兎と聞くは――この赫々とした日輪の中には三....
黒百合」より 著者:泉鏡花
をした、ぶらり火というのが、今も小雨の降る夜が更けると、樹の股に懸るというから、縁起を祝う夜商人は忌み憚って、ここへ露店を出しても、榎の下は四方を丸く明けて避け....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たしました。 現世の人達から観れば、死というものは何やら薄気味のわるい、何やら縁起でもないものに思われるでございましょうが、私どもから観れば、それは一|疋の蛾....
歯車」より 著者:芥川竜之介
を与えない訣には行かなかった。 「今年は家が火事になるかも知れないぜ」 「そんな縁起の悪いことを。……それでも火事になったら大変ですね。保険は碌についていないし....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
を持ち込もう。 花田と青島、黒布に被われたる寝棺をかつぎこむ。 とも子 いや……縁起の悪い…… 沢本 全く貴様はどうかしやしないか。 花田 さあ、ともちゃん....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
です。大分古びがついていた。仮綴の表紙を開けると、題に並べて、(大笹村、川裳明神縁起。)としてあります。 川裳明神…… わたしはハッと思いました。」 「――....
活人形」より 著者:泉鏡花
め、「銀平、遅かったわやい。「おらあすんでの事で俗名八蔵と拝もうとした。「ええ、縁起でもねえ廃止てくれ。物をいうたびに腹へこたえて、こてえられねえ。「全体どうし....