縁起でもない[語句情報] » 縁起でもない

「縁起でもない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縁起でもないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
のらしかった。僕は又何か日の光の中に感じる筈《はず》のない無気味さを感じた。 「縁起でもないものを拾ったな。」 「何、僕はマスコットにするよ。……しかし 190....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
子沢山の子供の上を案じてやってるんだあナ」 「まあ、およしなさいよ、遺言なんて、縁起でもない、鶴亀鶴亀」 「お前は実によく産んだね、オイばあさん。ちょいと六人だ....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
あろうが良真は飛び退いて曰く、「汝の運命尽きたのを告げに来たのだ」と。出陣間際に縁起でもないことをわざわざ報告に来たわけである。義元も敗けて居ずに「汝は我が怨敵....
」より 著者:金子ふみ子
、父は大きな声でどなりたてた。 「とくの、よくもお前は人前で俺に恥をかかせたな。縁起でもない、おかげで俺はすっかり負けてしまった。覚えてろ!」 父はもう片足の....
独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
ンゴラ大将は、そこで大いに気を持たせて、一座を見廻した。 (おや、十三の座席は、縁起でもない) 将軍は、ちょっと顔を曇らせたが、胸の前で十字を切って、 「それ....
沈没男」より 著者:海野十三
わけか、余の乗った艦船は、いいあわせたように、あっけなく沈没してしまうのである。縁起でもない沈没男だ。 しかし今度は、海水の中に漬けられないで助かったよ。さす....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
さっと青くなった。 「なんだ、その花輪には、黒いリボンがむすんであるじゃないか。縁起でもない!」 黒いリボンは、お葬式のときにだけつかう不吉なものだった。その....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
った。教授の顔の明るさ。 「この手水鉢は、実盛の首洗の池も同じだね。」 「ええ、縁起でもない、旦那さん。」 「ま、姦通め。ううむ、おどれ等。」 「北国一だ。……....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
を呼留めて、これは罪人か――と問わしつけえよ。 食物も代物も、新しい買物じゃ。縁起でもない事の。罪人を上積みにしてどうしべい、これこれでござる。と云うと、可哀....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たしました。 現世の人達から観れば、死というものは何やら薄気味のわるい、何やら縁起でもないものに思われるでございましょうが、私どもから観れば、それは一|疋の蛾....
深川女房」より 著者:小栗風葉
おうとは、全く夢にも思わなかったよ」 「そうだろうともねえ、察しるよ! 私も――縁起でもないけど――何しろお前さんの便りはなし、それにあちこち聞き合わして見ると....
おせん」より 著者:邦枝完二
てもらいたいのは山々だが、今までの太夫の様子では、どうも難かしかろうと思われる。縁起でもないことだが、ゆうべわたしは、上下の歯が一|本残らず、脱けてしまった夢を....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
旅に出た人は、その顔を見るまでは安心が出来ませんよ」といわれます。母は、「そんな縁起でもないことを仰しゃって」と、嫌な顔をなさいますが、心の中では一層心配してい....
茶美生活」より 著者:北大路魯山人
新年早々から、縁起でもない、茶遊び攻撃などして、と集中砲火の返報が来そうであるが、茶の道を愛す....
魔性の女」より 著者:大倉燁子
になって、うんとお金儲けて、あなたを左団扇で遊ばしておいて上げるわ」 「馬鹿ッ。縁起でもない。三十二の僕が今から失業してたまるかい。これからじゃないか」 「はい....