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「縁辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縁辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
牛肉と馬鈴薯」より 著者:国木田独歩
の間に独《ひとり》、つくねんと座っていましたが、低い声で唱歌をやっているのを僕は縁辺《えんがわ》に腰をかけたまま聴《き》いていました。 『お栄さん僕はそんな声を....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
(注一) ここで海神ポセイドン(Poseidon)の配偶アムフィトリートが地の縁辺を腕で抱えるとあるところから見ると、オヴィドは地が球形でなくて円板の形をして....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
である。煮沸に三段ある。その沸、魚目(一一)のごとく、すこし声あるを一沸となし、縁辺の涌泉蓮珠(一二)のごとくなるを二沸となし、騰波鼓浪(一三)を三沸となしてい....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
家の北条内記といえば、立派な家柄の武士ではないか。侍大将の筆頭で、しかも主君とは縁辺だ。非常な勇士で武道の達人、殿のお覚えめでたかった筈だ。いいことずくめのお前....
高島異誌」より 著者:国枝史郎
を」 と囁いて、隣室まで純八を誘った。 「何んと本条殿、あのご老僧は、貴殿のご縁辺ででもござるかな?」――声を窃めて先ず訊いた。 「いや縁者でも知己でもござら....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
は大へん混雑していた。新聞記者らしい者が二三人詰めかけていた。流石に家柄だけに、縁辺の人や旧藩の人達が多勢来ていた。 野村はむろん直ぐ通された。 彼が想像し....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
だものである。 「は」と云ったが葉之助は迷惑そうな顔をした。 「諏訪家と当家とは縁辺である。聞き捨て見捨てにもなるまいではないか」 「他に人はござりますまいか?....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
可い自分の書斎に寝転んで新聞を読んでいたがお午時前になると退屈になり、書斎を出て縁辺をぶらぶら歩いていると 「兄様」と障子越しにお清が声をかけた。 「何です」 ....
女難」より 著者:国木田独歩
った。手風琴の軽い調子が高い窓から響く。間もなく自分の宅に着いた。 三縁辺に席を与えて、まず麦湯一杯、それから一曲を所望した。自分は尺八のことにはまる....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
って、間もなく死んでしまいました。猪之助ですか、ありゃア解りません。二つの骸骨の縁辺なのか、秘密を知っていて強請りに来たものか、その辺ハッキリ解りません。素ばし....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
訊いた。 「白旗弓之助様と申します」 「うむ、お旗本で白旗か……。小左衛門殿のご縁辺かな?」 「そのお方のご次男様で」 「では確か北お町奉行、曲淵様とはご親戚の....
剣侠」より 著者:国枝史郎
をまじまじと見た。 源女は又も眼を閉じて、衣装|籠に身をもたせていた。 眼の縁辺りが薄く隈取られ、小鼻の左右に溝が出来、見れば意外に憔悴もしてい、病んででも....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
駕籠の中にいる姫君姿の女が、美作にとっての苦手であるか、ないしはその女の父母か縁辺に美作にとっての苦手があるか、どっちかでなければならなかった。とまれ美作は茫....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
人になられたり、他国をなすったり、久しく、御墓参の方もありませぬ。……あんたは御縁辺であらっしゃるかの。」 「お上人様。」 裾冷く、鼻じろんだ顔を上げて、 「....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
面の雪田で、盛り上った雪は縁から溢れて、小黒部の椈倉谷へなだれ落ちている。西北の縁辺は堤のように小高くなって、いじけた偃松が矮い灌木や根曲り竹の茂った中に押し竦....