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縄目
「縄目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
縄目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
を控えていた雑色《ぞうしき》に、
「これ、これ、永居は平太夫の迷惑じゃ。すぐさま
縄目を許してつかわすがよい。」と、難有《ありがた》い御諚《ごじょう》がございまし....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
を与えるから、もう一度よく考えて見ろ、もしおん教を捨てると云えば、直《すぐ》にも
縄目《なわめ》は赦《ゆる》してやると云った。しかし彼等は答えない。皆遠い空を見守....
「運」より 著者:芥川竜之介
ました――何も、その男に惚《ほ》れていたの、どうしたのと云う訳じゃない。が、その
縄目《なわめ》をうけた姿を見たら、急に自分で、自分がいじらしくなって、思わず泣い....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
ったでしょう。が、いくら身悶《みもだ》えをしても、体中《からだじゅう》にかかった
縄目《なわめ》は、一層ひしひしと食い入るだけです。わたしは思わず夫の側へ、転《こ....
「喝采」より 著者:太宰治
跡をつけて、そうして、一年後のきょうも尚《なお》、一杯ビイル呑んで、上気すれば、
縄目が、ありあり浮んで来る、そのような死にそこないの友人のために、井伏鱒二氏、檀....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
年目の十一月二十日、お園の三回忌の祥月命日《しょうつきめいにち》に、遂に新五郎が
縄目に掛って南の御役宅へ引かれると云う、是より追々怪談のお話に相成ります。
....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、空襲警報が鳴った。これが、天の助けだ。そうでなければ、ボジャック氏は、今ごろは
縄目の恥をうけていたわけだ」 「よかったのねえ」 「だが、どうにも腑に落ちないの....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
の美しさのために、一代鐘を守るではないか――既に、この人を手籠めにして、牛の背に
縄目の恥辱を与えた諸君に、論は無益と思うけれども、衆人|環り視る中において、淑女....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
刀が、あたかも蝙蝠の骨のように飛んでいた。 取って構えて、ちと勝手は悪い。が、
縄目は見る目に忍びないから、衣を掛けたこのまま、留南奇を燻く、絵で見た伏籠を念じ....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
「身分も宣らず行く先も云わぬとは、いよいよもって怪しい奴、仕儀によっては引っ縛り
縄目の恥辱|蒙らすがよいか!」 しかし相手はこう云われても驚きも恐れもしなかっ....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
形を改め、 「お菊は拙者の妾でござる。日頃不愍をかけた女。お手前達の手籠めに逢い
縄目の恥辱蒙るのをただ黙って見ているのもはなはだ愍然と存ずるについては、拙者より....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
わして独楽を持って来させる。そうしてそれが事実淀屋の独楽であったら、即座に其方の
縄目を解き、我々の同士の一人として、わしの持っている独楽へ現われて来る隠語を、早....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
を遂げようとし、お妻の現在の身分も探ぐり、恋遂げさせねば官に訴え、女邯鄲師として
縄目の恥を、与えようなどと脅迫さえした。お妻は内心セセラ笑ったが、うるさいから眠....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
田螺が保証したものだから、〈めだか〉は七筋半の蜘蛛の糸を小市長の身体から解いた。
縄目が解けると、彼はすぐ物が言えるようになった。 そのうれしさに、彼は大きな声....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
幾重にも御憐愍をもちましてお見遁しを願います、苟も侍たるものが、何程零落したとて
縄目にかゝりましては、先祖へ対し家名を汚し、此の上ない大罪でございますから、何う....