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縛る
「縛る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
縛るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
そしてこの頃ではもう嗅《か》ぎなれた妖気《ようき》麝香《じゃこう》のかおりが胸を
縛るかのように流れてきた。次に耳元に生温《なまあたたか》い呼吸《いき》づかいがあ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
慢するけれども、自身番の奴らがむやみに棒で撲ったり、縛ったりしやあがった。ひとを
縛るということは重いことで、無暗に出来るもんじゃあねえと兄貴が云った」と、権太郎....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いた。 「半七さん。いや、恐れ入りました」と、十右衛門は先ず口を切った。「科人を
縛るのがお前さんのお役でありながら、自分の手柄を捨ててこの家の暖簾に疵を付けまい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ふん縛ってしまうから……」 如何にこの時代でも、単にこれだけのことで無闇に人を
縛ることの出来ないのは判り切っているのであるが、若い女はその嚇しに乗せられたのか....
「鎖工場」より 著者:大杉栄
道理である、因果である。 俺はもう俺の鎖を鋳ることはやめねばならぬ。俺自ら俺を
縛ることをやめねばならぬ。俺を縛っている鎖を解き破らなければならぬ。そして俺は、....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
お照はギクリとしたらしく、一歩身を引いて立ち竦んだ。 「あんたは、このあたしを
縛るつもりなのネ」 「……うんにゃ、
縛るのはもうよしたよ、はッはッはッ」 「だっ....
「人間灰」より 著者:海野十三
は、怪漢の手を逆にねじあげると、忽ち捕縄をかけてしまった。 「乱暴をするな、なぜ
縛るんだ」 と怪漢は眉をピリピリ動かして云った。 「白っぱくれるな。なぜ縛られ....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
たって、よくある手だが、まず二本の鉄棒に手拭かなんかを、輪のように廻してしっかり
縛るんだ。そしてこの手拭の輪の中になにか木片でも挿し込んで、ギリギリ廻しながら手....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
、例えば、人参でもいい、ごくありふれた餌で豚公を連れ出し、さて線路上へ来て、縄で
縛るなんて面倒な事はせず、玄翁か何かで一度に叩ッ殺し、そのまま線路上へ投げ出して....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くと、熊蔵は眼でうなずいた。 「親分、どうしましょう」 「まさか、いきなりにふん
縛るわけにも行くめえ。まあ、ここへ上がって来たら、てめえがなんとか巧く云って連れ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
がありますので。 客人はあと二、三日、石の唐櫃に籠ったように、我と我を、手足も
縛るばかり、謹んで引籠ってござったし、私もまた油断なく見張っていたでございますが....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
宅膳 黒牛の背に、鞍置かず、荒縄に縛める。や、もっとも神妙に覚悟して乗って行けば
縛るには及ばんてさ。……すなわち、草を分けて山の腹に引上せ、夜叉ヶ池の竜神に、こ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
のままでかね、勿体至極もねえ。」 「かまいませんわ。」 「構わねえたって、これ、
縛るとなると。」 「うつくしいお方が、見てる前で、むざとなあ。」 麦藁と、不精....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
イヤモンドはあなたの情火の反映です。しかもあの腕にはめている腕環こそは、あなたを
縛る魔法の鎖です。その腕環を信じてはいけません。もう少し我慢なさい。きっと自由の....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
か?」 「否え、それも彼自身のやったことでした」 「しかし、自分を包んで、外から
縛るという事が出来るかな?」 「出来ます。あれは水兵結びですから、少しその道に心....