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縟
「縟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
縟の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
を 発揮して 乃ち文を成す、 枝葉 何ぞ曾て 本根を離れん。 末俗 工を競ふ 繁
縟の体、 千秋の精意 誰と与に論ぜん。 是れ正学先生の詩に於けるの見なり。華を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
交代のような儀式ばった御通行がそういつまで保存のできるものでもないでしょう。繁文
縟礼を省こう、その費用をもっと有益な事に充てよう、なるべく人民の負担をも軽くしよ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
廃される、幕府から任命していた皇居九門の警衛は撤去されるというふうに、多くの繁文
縟礼が改められた時、幕府が大改革の眼目として惜しげもなく投げ出したのも参覲交代の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
度の革新を促したことは争われなかった。いわゆる慶応の改革がそれで、二百年間の繁文
縟礼が非常な勢いで廃止され、上下共に競って西洋簡易の風に移ったのも皆その結果であ....
「荷花公主」より 著者:田中貢太郎
。彼はいきなり女を抱きあげて綺麗な帷の垂れている室の中へ入って行った。 已而菌
縟流丹、女屡乞休始止。彭と女とはその後で話をした。彭は匂いのある女の体を撫でなが....
「惜別」より 著者:太宰治
文明の本質たる科学を正視し究明する勇気無く、学生には相も変らず八股文など所謂繁文
縟礼の学問を奨励して、列国には沐猴而冠の滑稽なる自尊の国とひそかに冷笑される状態....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
来のただの官吏にまで、単なる行政技術家にまで、他動的で非人間的でその癖横柄で繁文
縟礼的な単なる事務の機械的な執行者にまで、萎縮して了った。最近までの官僚は名は官....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
であって、万事京都風で、小むずかしいことばかりであった、ちょうど今時はやりの繁文
縟礼《はんぶんじょくれい》であったのだ、そこへ早雲が来て、この繁文
縟礼の弊風を一....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
の土偶や土面のような、異種を感じさせるものではない。縄文式のものの持つ形式的に繁
縟な、暗い、陰鬱な表現とはまるで違って、われわれの祖先が作った埴輪の人物はすべて....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
なかった。「名なんかドウでも好い、なくても好い、猫に名なんか付けるのは人間の繁文
縟礼で、猫は名を呼ばれたって決して喜ばない、」といっていた。こんな処にも空名虚誉....
「三国志」より 著者:吉川英治
逆行している。 が――君は、時代の勢いに順い、革新の気に富む。 二……袁紹は繁文
縟礼、事大主義で儀礼ばかり尊ぶ。 が――君は、自然で敏速で、民衆にふれている。 ....