縫合[語句情報] » 縫合

「縫合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

縫合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
胴から上の筋肉を逞《たくま》しく露《あら》わして、大きな足に牛の生皮《きがわ》を縫合せた堅《かた》い靴を穿《は》いている。蒸した豆を藺《い》で囲んで、丸い枠《わ....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
き破れざるをえないのだ。――検査を終えた漁夫たちは、やがてそれぞれの箇所ヘ、筵を縫合したものや、樹の枝を束ねて大きな束にしたものを沈めるのであった。それらは何れ....
「蠅男」より 著者:海野十三
ころが生憎と、入歯は暖炉のなかで焼け壊れてバラバラになっているのだ」 「頭蓋骨の縫合とか、肋軟骨化骨の有無とか、焼け残りの皮膚の皺などから、年齢が推定できません....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と云い放った。「恐らくその中には、心筋質肥大のようなものや、あるいは、硬脳膜矢状縫合癒合がないとも限りません。けれども、それが対称的に抽象出来るというのは、つま....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
ょう》しく針箱を前に控えて、覚束《おぼつか》ない手振りでシャツの綻《ほころび》を縫合わせていた。 文三の顔を視《み》ると、昇が顔で電光《いなびかり》を光らせた....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
まえはわざと左の肩に傷をつけ、そのなかに黄金メダルの半ペラをおしこみ、そのうえを縫合したのだろう。いま、おれが、その金庫をひらいてやろう」 四馬剣尺は、青竜刀....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
大講堂で講演なさったじゃないですか。――今日｜外科《げか》は大進歩をとげ、人体を縫合《ぬいあわ》せ、神経をつなぎ、そのあとで高圧電気を、ごく短い時間、パチパチッ....
「金属人間」より 著者:海野十三
殺し、そして博士の頭を切り開いて、じぶんがその中へはいりこみ、あとをたくみに電気縫合器《でんきぬいあわせき》かなにかで縫いつけ、ぼくが気がついたときにはすっかり....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
履き紫襴の袈裟をつけた所には、流石争われぬ貫録があった。創傷は、顱頂骨と前頭骨の縫合部に孔けられている、円い鏨型の刺傷であって、それが非常なお凸であるために、頭....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
たり、収斂、止血剤を施したり、大童になって仕事をつづけたが、やがて、左胸部の創を縫合せてしまうと、ほっと一息入れ、 「もうこれでよし」と、自信ありげに、独り呟い....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
実を正義のうちに浸透せしむること、それこそまさしく賢者の仕事である。 二 悪き縫合 しかしながら、賢者の仕事があるとともにまた巧者の仕事がある。 一八三....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
とした示唆がこの謎を解析してくれた。 この島の特質上、石膏末、コロジウム繃帯、縫合針、義眼など、剥製に必要な器具材料が、なにひとつ欠けることなく取揃えられてあ....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
して来て東京の市中に売っている。 クルミの核は元来二殻片の合成したもので、その縫合線は密着して隆起した縦畦を呈しているが、ヒメグルミではその隆起の度がすこぶる....
「鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
は、絹物、ジョーゼット、木綿、人絹などいろいろあって、機械にかける前、十ヤールに縫合せる。機械済みのを仕上げのミシン場へまわして、あとは晒しに出す。ぎんは入りた....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
。一人でいちばんたくさんあったのは百十傷であった。傷を洗い、異物を取り除き、整形縫合し、薬をつけて、繃帯を巻き上げるまでには、一人の患者にずいぶん時間をとられる....