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縮む
「縮む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
縮むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
女は赤くなって逃げて行った。 「いやか。いやで幸いだ。義理何とかは三年寿命が
縮むと来てやがらア」 パイを並べながら、もう軽佻浮薄な口を利いている、このとり....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
というと突然《いきなり》背後《うしろ》から帯に手をかけて、身悶《みもだえ》をして
縮むのを、邪慳《じゃけん》らしくすっぱり脱《ぬ》いで取った。
私《わし》は師匠....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
しきりに銀子の名を呶鳴り出したのだった。 頭の上まで足をあげながら、銀子は身が
縮む想いだった。 「銀ちゃん、頑張れ、頑張れ!」 北山は立ち上って銀子の踊りに....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
も並々ならぬ新機軸を持った砕氷船なんだ。この船は、外部から氷に押されるとだんだん
縮むのだ。船の幅で六十パアセントに圧縮されても沈みも壊れもしないで平気でいられる....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
る綺麗ですわ、そして煩ってから余計に殖えたようよ……髪ばかり長くなって、段々命が
縮むんだわねえ。――兄さん、」 と、話に実が入るとつい忘れる。 「可哀相よ。そ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
金を糸で結び付けて、反対の方向へ自働発射を試みるようなことはやらんだろうし、汁で
縮むレットリンゲル紙を指に巻いて、引金に偽造指紋を残すような陋劣な手段にも出まい....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
山、羽黒の権現さん 小児等唄いながら画工の身の周囲を廻る。環の脈を打って伸び且つ
縮むに連れて、画工、ほとんど、無意識なるがごとく、片手また片足を異様に動かす。唄....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
内へ帰って夜具を被って、ずッしり汗でも取らねえでは、煩いそうに頭も重い。) と
縮むだね。 例の小児が駆出したろう、とそう言うと、なお悪い。あの声を聞くと堪ら....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
らの緋葉も灯れず、ぽかぽかと暖い磴の小草の日だまりに、あだ白けて、のびれば欠伸、
縮むと、嚔をしそうで可笑しい。 辻町は、欠伸と嚔を綯えたような掛声で、 「ああ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
を見たる、楓の枝ゆらゆらと動きて、大男の姿あり。やがてはたと地に落ちて、土蜘蛛の
縮むごとく、円くなりて踞りしが、またたく間に立つよとせし、矢のごとく駈け出して、....
「鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
ブヨしている。そうして無数に皺がある。その皺が絶えず動いている。延びたかと思うと
縮むのである。壁ばかりでは無い。天井も然うだ。天井ばかりでは無い床も然うだ。現在....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
ような境遇、親しくならざるを得なかった。 「釣天井で圧殺とは、聞いただけでも身が
縮む。無残なことをする奴らだ」 ホーキン氏もさもさも驚いたように歎息しながらこ....
「髷」より 著者:上村松園
っちへ曲げ、こっちへねじていじめつける故で、ああいじめつけては髪は伸びるどころか
縮むばかりである。 もっとも、今の若いひとは、わざわざ電気をかけて縮ましている....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
が。」 赤い蛇は、褄の乱れた、きみの裾のほかにあるものか。 「膝が震えて、足が
縮む……動けば落ちようし、どないしよう。」 と欄干に、わなわな。 「今時蛇が、....
「妖影」より 著者:大倉燁子
掻き乱すようなその美しい眼に、淋しい笑を見せて、私を凝と見詰めていた。私は身内が
縮むように思った。 「お困りでございましょうね」 これだけいうとやっと視線から....