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「繁に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

繁にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
らでございます。ヒステリイが益昂進すれば、ドッペルゲンゲルの出現もあるいはより頻繁になるかも知れません。そうすれば、妻の貞操に対する世間の疑は、更に甚しくなる事....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
は接木や挿木をくりかえして来た蜜柑には種子がなくなると同じである。早く死ぬから頻繁に子供を産むが、不老不死になると、人間は淡々として神様に近い生活をするに至るで....
婦系図」より 著者:泉鏡花
少いから、呉も越も隔てなく口を利いて巧く纏める。従うて諸家の閨門に出入すること頻繁にして時々厭らしい! と云う風説を聞く。その袖を曳いたり、手を握ったりするのが....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
鴎外はむしろ客の来るのを喜んで、鴎外の書斎はイツモお客で賑わった。 私が最も頻繁に訪問したのは花園町から太田の原の千駄木時代であった。イツデモ大抵夜るだった。....
温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
しても快諾されたことがある。 私は夏目さんとは十年以上の交際を続けたが、余り頻繁に往復しなかったせいでもあろうけれども、ただの一度も嫌な思いをさせられたことが....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
まで話し込んでいた。が、取留めた格別な咄もそれほどの用事もないのにどうしてこう頻繁に来るのか実は解らなかったが、一と月ばかり経ってから漸と用事が解った。その頃|....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ツクサいうのは珍らしくなかった。 尤も沼南は極めて多忙で、地方の有志者などが頻繁に出入していたから、我々|閑人にユックリ坐り込まれるのは迷惑だったに違いない。....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
舎武士の金碗大輔がドコから鉄砲を手に入れたろう。これを始めに『八犬伝』には余り頻繁に鉄砲が出過ぎる。白井の城下で道節が上杉勢に囲まれた時も鉄砲足軽が筒を揃えて道....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
士とすら遠ざかっていた。が、再びポツポツ翻訳を初めてから新聞雑誌記者や文壇人が頻繁に出入し初めた。二葉亭が二度の文人生活を初めたのは全く糊口のためで文壇的野心が....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
つ頗る健啖家であった。 私が猿楽町に下宿していた頃は、直ぐ近所だったので互に頻繁に往来し、二葉亭はいつでも夕方から来ては十二時近くまで咄した。その頃私は毎晩|....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
出されたのだ。それまではラジウムを、あっちのポケットからこっちのポケットへと、頻繁に出し入れしていた。同じところに永く入れて置くと、たとい洋服だの襯衣だのを透し....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
けのことであった。東京と、華府との二ヶ所では、政府当局と相手国の全権大使とが、頻繁に往復した。外交文書には、次第に薄気味のわるい言葉が織りこまれて行った。お互の....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
て、赤羽主任の掌上には、一滴の血潮が、円点を描いた。 「ヤッ血だ!」 一層|頻繁に落ちて来る血潮を受け止めながら、赤羽主任は反射的に天井を見上げた。それに誘わ....
河明り」より 著者:岡本かの子
る。日本の冬も去って、三月は春ながらまだ底冷えが残っている。河には船が相変らず頻繁に通り、向河岸の稲荷の社には、玩具の鉄兜を冠った可愛ゆい子供たちが戦ごっこをし....
郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
わして来たことがある。わたしの住んでいる百人町には幸に火災はないが、淀橋辺には頻繁に火事沙汰がある。こうした事件は冬の初めが最も多い。 「郊外と市内と、どちらが....