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「織目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

織目の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
》った一条《ひとすじ》の路《みち》を隔てて、数百《すひゃく》の燈火《ともしび》の織目《おりめ》から抜出《ぬけだ》したような薄茫乎《うすぼんやり》として灰色の隈《....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
る。茶屋の小僧が臼《うす》を挽《ひ》きながら笑う。旗振《はたふり》の着るヘル地の織目は、埃《ほこり》がいっぱい溜って、黄色にぼけている。古本屋から洋服が出て来る....
」より 著者:夏目漱石
ぶ》さるように空を遮《さえぎ》った。闇《やみ》だけれども蒼い葉の色が二人の着物の織目に染み込むほどに宗助を寒がらせた。提灯の灯《ひ》にもその色が多少映る感じがあ....
野分」より 著者:夏目漱石
《そで》を見た。次に眼を転じてまた徐ろにわが左の袖を見た。黒木綿《くろもめん》の織目のなかに砂がいっぱいたまっている。 「随分きたない」と落ちつき払って云った。....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
《へや》の天井を眺めた。そうして黒い布で包んだ電気灯の珠《たま》と、その黒い布の織目から洩れてくる光に照らされた白い着物を着た女を見た。見たか見ないうちに白い着....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
煖炉棚の上には埃が五|分ほども積っていて、帷幕に触れると、咽っぽい微粉が天鵞絨の織目から飛び出してきて、それが銀色に輝き、飛沫のように降り下ってくるのだった。一....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
カノツカサクラの赤い花などが、絨氈の斑紋になって、浮き上る、焚火の影に、鮮やかな織目を見せる。 早く日の目が見たい。 早く穴の中から這い出したい。 同じ思....
溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
が一杯並んでいた。その表紙と目次とを調べて、カードを整理するのである。私の洋服の織目には、書物の埃がたまり、機械的に働かせる頭には、白い雲脂《ふけ》がたまってい....
塩花」より 著者:豊島与志雄
大きな子で、もう学齢ほどらしいのに、長い髪の毛を女の子のように額に垂らしていた。織目の見える古生地の粗服を着ていたが、それと対照に、ふっくらとした頬が如何にも瑞....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
もいくつもあって、それにはみんな真っ白いレースのカーテンがかかっている。小模様の織目の細かい上等品である。ふんわりと揺れはためく。裳裾の房がパタパタと鳴る。揺れ....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
言われぬのは、近い頃までも夏だけはなお麻を用い、木綿といっても多くは太物であり、織目も手織で締まらなかったから、まだ外気との交通が容易であったが、これから後はど....