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繰出
「繰出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
繰出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
空は、飛行機で警戒せられていたし、海面は護衛の水上艦艇にて、海中は潜水艦が五隻も
繰出されて一入《ひとしお》、警戒は厳重であった。 留守組の観測班員は、捕えた気....
「オシャベリ姫」より 著者:かぐつちみどり
がら追っかけて来ます。 その上にいつどこから出て来たか、雲雀の兵隊や巡査までが
繰出して来て、 「キイキイ、ピイピイ」 と叫びながら、広い野原を逃げまわるオシ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
が、金の性、お妙が、土性であることは、あらかじめお蔦が美い指の節から、寅卯戌亥と
繰出したものである。 半吉ででもある事か、大に吉は、主税に取って、一向に芽出度....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
見つけられたが最後、もう猶予は出来ない。彼は持っている槍を取直してただひと突きと
繰出すと、弥次右衛門は早くも身をかわして、その槍の穂をつかんで強く曳いたので、喜....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
(あそこまで行けば、必ず何かある) 帆村は洋杖の柄を握りしめ、いつでもそれを
繰出せるように身構えて歩を進めた。 とうとうその角まで来た。 「呀ッ!」 そ....
「こま犬」より 著者:岡本綺堂
またこんなことを言った。 「きょうは天気になったので、村の青年団は大挙して探険に
繰出すそうだ。おまえも一緒に出かけちゃあどうだ。」 「いや、もう行って来ましたよ....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
干物を片づける。そのうちに大粒の雨が降って来る。いなびかりがする。あわてて雨戸を
繰出している間に、母は蚊帳のなかへ逃げ込んでしまいました。 いや、こんなことを....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
は明の大軍が応援に来たというのであるから、その軍の模様によっては更に加勢の人数を
繰出さなければならない。それやこれやで留守あずかりの人びとも油断がならず、いずれ....
「平造とお鶴」より 著者:岡本綺堂
っていた花見月が四月に延びた。 その四月の花見に、ここの町内のひと群れが向島へ
繰出すと、群集のなかに年ごろ三十二、三の盛装した婦人と二十六、七の若い男とが連れ....
「風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
帯びているものには相違ないので、わたしは行水に因んだ古人の俳句をそれからそれへと
繰出して、努めて俳味をよび起そうとした。わたしの家の畑には唐もろこしもある、小さ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
人して一週間ばかりで書上げたのがアノ本サ。早速金に換えて懐ろが温まったので、サア
繰出せと二人して大豪遊を極めたところが、島田の奴はイツマデもブン流して帰ろうとい....
「審判」より 著者:カフカフランツ
とう、この老人を疲れさせてやろう、ということに話がきまった。後から後から弁護士を
繰出し、階段を登ってゆき、できるだけの、もちろん消極的抵抗をやって投げ落されると....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ものが付いてある。その竹の棒へ練付けた羊の毛を巻いて、そうして口でもってだんだん
繰出して、よい加減に長くなったところで撚をかけるという具合にして糸を拵えるのです....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
総指揮官となり、市役所を占領した女課長連が各大隊の司令となって、正々堂々、公園を
繰出した。 彼らはここぞと思う工場の前へ行くと、 「赤ン坊を救え!」 と叫ん....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
きのひたいの傷あととともに、私にはなつかしいものだ。 村の祭には、有名な太鼓が
繰出した。ドドンコドンコドコ。その響きがまことに珍妙なのである。村の子供が東と西....