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繰言
「繰言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
繰言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「源おじ」より 著者:国木田独歩
は歌いもすべし。されどその歌の意|解《げ》しがたし。否《いな》、彼はつぶやかず、
繰言《くりごと》ならべず、ただおりおり太き嘆息《ためいき》するのみ。あわれとおぼ....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
、鳥人先生のいましめ受けて、封じられたる忍術の、昔を今になすよしも、泣く泣く喞つ
繰言の、それその証拠には、この合部屋に膝をかかえているじゃないか」 と、万更法....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
会なり、又此世の名残りなりと酒宴してけるを、諸士は偏へに老武者が壮士を励ます為の
繰言とのみ思ひて、何も遠藤殿の仰せらるる迄もなし、我々も明日の軍に討死して、栄名....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
来ぬ。彼は半ば夢中で、只感情の逸るまゝに書いて/\書き抜いたのである。宛然老婆の
繰言であるが、燈火の消えんとして一時明りの強くなる類で、彼の未決八年冤枉を叫び通....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
は文人は常に社会に対する戦闘者でなければならぬが、内輪同士では年寄の愚痴のような
繰言を陳べてるが、外に対しては頭から戦意が無く沈黙しておる。 二十五年の歳月が....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
めては一日路程も見透したきを役|立ぬ此眼の腹|立しやと門辺に伸び上りての甲斐なき
繰言それも尤なりき。一ト月過ぎ二タ月|過ても此恨綿々ろう/\として、筑紫琴習う隣....
「変な男」より 著者:豊島与志雄
すよ。」と中村が云った。 「あんまり荷物が少なすぎますよ。」 辰代は自分一人の
繰言をしながら、台所へやっていった。そして残りの用を済し、何か繕い物を持出してき....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
めてこれでこそ命はおしいもの。長いきは有がたいもの。何だか智月おばあさんのこんな
繰言を聞いている様で、何の詩感も味う事が出来ない。 入相の鐘にやせるか山桜 智....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
の外は、何一つ聴こえなかったけれども、その渦の中で一人超然とし、絶えず嘆くような
繰言を述べ立てている一群があった。 その四、五人の人達は、どれもこれも、薄い削....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
一つさ。小野ノ連にしろ、この僕にしろ、君とは一生を誓い合った同志じゃないか。その
繰言だけはもういい加減に止めたまえ。………ところで石ノ上。お父様は? もう発たれ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
外剰筆』の視力を失った過程を述ぶるにあたっても、多少の感慨を洩らしつつも女々しい
繰言を繰り返さないで、かえって意気のますます軒昂たる本来の剛愎が仄見えておる。 ....
「翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
心を耳にして、さて黙って引退《ひきさが》ればよい。事情既にかくの如し、今さら何の
繰言ぞやである。 とばかりも言っておられまいから、些《いささ》か泣言を並べるこ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
はずで、その人たちはわたしの言うことの嘘でないのを証明してくれるであろう。老人の
繰言でなく、負け惜しみでなく、わたしはそのころ一人前の人間になっていて、そういう....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
ばなりませぬ、とおろおろ涙になっての話し。始終を知らで一筋にわが子をおもう老いの
繰言、この返答には源太こまりぬ。 八五郎そこに居るか、誰か来たようだ明けてやれ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
どの詞にも語原があって、
その響が残っている。グリップスも、栗色、苦み、
苦労、
繰言、くら闇、ぐらつきなどと、
語原学上に声が通っているが、
己達は聞くのが厭だ....