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繰返す
「繰返す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
繰返すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
けしき》さえありません。ただもうわたしは薄情だと、そればかり口惜《くや》しそうに
繰返すのです。もっとも発作《ほっさ》さえすんでしまえば、いつも笑い話になるのです....
「影」より 著者:芥川竜之介
ん壁際の方へすさり始めた。が、その間も彼の唇《くちびる》は、「誰だ、お前は?」を
繰返すように、時々声もなく動いていた。
その内にもう一人の陳彩は、房子だった「....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ていた。
「御止《およ》し。御止しよ。」
声は彼女の問に答えず、何度も同じ事を
繰返すのだった。
「何故《なぜ》またお前さんまでが止めるのさ? 殺したって好いじ....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
それをまた生徒の方では、面白い事にして、くすくす笑う。そうして二三度先生が訳読を
繰返す間《あいだ》には、その笑い声も次第に大胆になって、とうとうしまいには一番前....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
にすぎない。そうして彼が教育家としてなしうる仕事は、リーダーの一から五までを一生
繰返すか、あるいはその他の学科のどれもごく初歩のところを毎日毎日死ぬまで講義する....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
らかである。それで、この進化は周期的に行われるものであって、何度となく同じことを
繰返すものだということを仮定して、始めてこの世界の永遠性ということが了解される。....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
だ。 昨日は日曜で抜けている。一週間。」 と颯と紙が刎ねて、小口をばらばらと
繰返すと、戸外の風の渦巻に、一ちぎれの赤い雲が卓子を飛ぶ気勢する。 「この前の時....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
の一滴の散るように、洗えば洗うほど流せば流すほど香が広がる。……二三度、四五度、
繰返すうちに、指にも、手にも、果は指環の緑碧紅黄の珠玉の数にも、言いようのない悪....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
詰らなそうにポタリと棄てる……すぐその額を敲く。続いて頸窪を両手で圧える。それを
繰返すばかりであるから、これが企謀んだ処で、自分の身の上の事に過ぎぬ。あえて世間....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
。 今やなし。あらぬを知りつつ謙三郎は、日に幾回、夜に幾回、果敢なきこの児戯を
繰返すことを禁じ得ざりき。 さてその頃は、征清の出師ありし頃、折はあたかも予備....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
川は細いが、汐はこの方が余計に注すから、どうかとは思ったものの、見す見す厭な路を
繰返すよりは、 (行って見ましょう。) と歩行き出して、向を代えて、もう構わず....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
呼び得ない異常性が富んでいる。これは菊池が先月の文章世界で指摘しているから、今更
繰返す必要もないが、唯、自分にはこの異常性が、あの黒熱した鉄のような江口の性格か....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
第十六|寿量品の偈、自我得仏来というはじめから、速成就仏身とあるまでを幾度となく
繰返す。連夜の川施餓鬼は、善か悪か因縁があろうと、この辺では噂をするが、十年は一....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ったろう、もう、莞爾して、 「何をしていらっしゃるの。」 下品な唄を、高調子で
繰返す稼ぎのせいか、またうまれつきの声調か、幅があって、そして掠れた声が、気さく....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
り、王道への欲求、憧憬が人間の万物の霊長たる所以である。今後も人類は本能の暴露を
繰返すであろう。しかし大道は人類の王道への躍進である。王道に対する安心定まった時....