»
纏める
「纏める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
纏めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
学者と来て、天下この位信用すべき媒妁人は少いから、呉も越も隔てなく口を利いて巧く
纏める。従うて諸家の閨門に出入すること頻繁にして時々厭らしい! と云う風説を聞く....
「階段」より 著者:海野十三
の時、あんなことに乗り出さなかったなら、今ごろは「キャナール線の量子論的研究」も
纏めることができて、年歯僅か二十八歳の新理学博士になり、新聞や雑誌に眩しいほどの....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
考えるにつれて、女には夫の立場が異様に切迫したものに思われて来て、身の廻りの品を
纏めると、そのままそそくさと霧の波止場へ急いだ。 歩きながらも、安吉を包む秘密....
「小説家たらんとする青年に与う」より 著者:菊池寛
書くには、小手先の技巧なんかは、何んにも要らないのだ。短篇なんかをちょっとうまく
纏める技巧、そんなものは、これからは何の役にも立たない。 これほど、文芸が発達....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
を呼びたい。私は多年心掛けて君に呈したいと思っていたその山上生活の記念を漸く今|
纏めることが出来た。 樹さん、君と私との縁故も深く久しい。私は君の生れない前か....
「爛」より 著者:徳田秋声
しょう。」 お増は言い張ったが、やはり隠し通すことが出来なかった。室の方の話を
纏めるにしても、浅井の力を借りないわけに行かなかった。 居所を知らさないで、お....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
。 船長は彼等の邪魔になっているようなへまなことはしなかった。彼は、上陸隊を取
纏めることはシルヴァーに任せて、すぐに身を隠した。彼がそうしたのはよかったと私は....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
で来る感じを後から後からときれぎれに歌ったって何も差支えがないじゃないか。一つに
纏める必要が何処にあると言いたくなるね。 B 君はそうすっと歌は永久に滅びないと....
「回想録」より 著者:高村光太郎
とめる。多くは円筒形とか円錐形の中に、出張っているところを成るべく削らないで形を
纏めるのである。従って父のような考え方では駄肉が甚しく目立つのであろう。 父は....
「書記官」より 著者:川上眉山
遮ぎって、一時も早く私の方のを官へ差し出すが上分別、とにもかくにもこの首尾を取り
纏める方に、早速ながら御尽力を願って、事落着の上で御報酬の方は極めることに致して....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
貨一郎氏にも深い考えあってしている心持ちが分ると、夫婦の中へ立ち入って好い工合に
纏めることも出来ずそのままになっている中とうとう柏木未亡人方にも何か都合があって....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
姿であった。一週間ほど慧鶴は新しく取り上げた求道の慾望によって竕散の意識感覚を取
纏めることに懸命の努力をし、どうやら思考も継続して追詰めて明けるように慣れて来た....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
をさせられるのであった。 茫然としたままで、フレンチは署名をした。どうも思慮を
纏めることが出来ない。最早死の沈黙に鎖されて、死の寂しさをあたりへ漲らしている、....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
る。同志には話合いも妥協も時によっては必要である。また、いかに議論が百出しても、
纏めるべき所で
纏めるということがあっていいのではないかと思う。しかしそういう考え....
「赤い花」より 著者:田中貢太郎
、彼はまた演説の腹案をこしらえる必要が起ったので、平生のように散歩しながら思想を
纏めるつもりで戸外へ出た。 その時はもう春も深くなって、土塀の上に見える邸内の....