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罅隙
「罅隙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
罅隙の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
古くなって石の位置が動いたためか、段の方々には凸凹《でこぼこ》があった。石と石の
罅隙《すきま》からは青草が風に靡《なび》いた。それでも其所は人の通行する路に違な....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
き夢おぼつかなくも馴れし都の空を遶るに無残や郭公待もせぬ耳に眠りを切って破れ戸の
罅隙に、我は顔の明星光りきらめくうら悲しさ、或は柳散り桐落て無常身に染る野寺の鐘....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
彼に媚《こ》びている」と人に言われる懸念は、ほとんどないのである。
四 根底の
罅隙《かげき》
本書の物語が、ルイ・フィリップの治世の初期をおおう悲壮なる暗....
「環礁」より 著者:中島敦
こころよ》げな寝息を立てていた。 午《ひる》近く、船は珊瑚礁《さんごしょう》の
罅隙《かげき》の水道を通って湾に入った。S島だ。黒き小ナポレオンのいるというエル....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
の段を為している、それから下は谷底まで七、八丈の絶壁である。壁面の上部には纔かの
罅隙を覓めて根を托した禾本科らしい植物の葉が、女の髪の毛を梳いたように房さりと垂....