罪悪[語句情報] » 罪悪

「罪悪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

罪悪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
必ず火事のために焼け死んだのに相違ない。そうすれば何も妻を殺したのが、特に自分の罪悪だとは云われない筈だ。」と云う一条の血路がございました。所がある日、もう季節....
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
ころ》す前に、必ず凌辱《りょうじょく》を恣《ほしいまま》にした。…… あらゆる罪悪の行われた後《のち》、とうとう鬼の酋長《しゅうちょう》は、命をとりとめた数人....
将軍」より 著者:芥川竜之介
、所詮《しょせん》は呪《のろ》うべき怪物だった。戦争は、――彼はほとんど戦争は、罪悪と云う気さえしなかった。罪悪は戦争に比べると、個人の情熱に根ざしているだけ、....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いでもない。 自由意志と宿命と 兎《と》に角《かく》宿命を信ずれば、罪悪なるものの存在しない為に懲罰と云う意味も失われるから、罪人に対する我我の態度....
或る女」より 著者:有島武郎
なたによって人がどれほど愛しうるかを学びました。あなたによって世間でいう堕落とか罪悪とかいう者がどれほどまで寛容の余裕があるかを学びました。そうしてその寛容によ....
外科室」より 著者:泉鏡花
一《おなじ》日に前後して相|逝《ゆ》けり。 語を寄す、天下の宗教家、渠ら二人は罪悪ありて、天に行くことを得ざるべきか。....
性急な思想」より 著者:石川啄木
事を考えねばならなくなった男があるとする。そして、有妻の男子が他の女と通ずる事を罪悪とし、背倫《はいりん》の行為とし、唾棄《だき》すべき事として秋毫《しゅうごう....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
結合を強制することは、そのまま生活の堕落である。愛によらざる産子は、産者にとって罪悪であり、子女にとって救われざる不幸である。愛によって生れ出た子女が、侮辱を蒙....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
から飛び去り、虚偽、暴戻、背信、そして飽くことを知らぬ黄金の欲望並びに最も粗野な罪悪の数々がとって代った。 オヴィドの宇宙開闢説はヘシオドのといくらも違ったと....
去年」より 著者:伊藤左千夫
ばして歩けないのが常だ。心をまげ精神を傷つけ一時を弥縫した窮策は、ついに道徳上の罪悪を犯すにいたった。偽りをもって始まったことは、偽りをもって続く。どこまでも公....
」より 著者:池谷信三郎
、持て余した一日を退屈と戦いながら、刺繍の針を動かしていることが、どんな消極的な罪悪であるかということを、誰も教えてくれる人なんかありはしない。私たちは自分でさ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
な、知らず知らず罪を犯しおるじゃ。私はな、ただ秘密ということばかりでも一種立派な罪悪と断ずるで、勿論市役所へ届けた夫婦には関係せぬ。人の目を忍ぶほどの中の奴なら....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
あろうと思いましたが、兎に角こんな苛責の光景を見るにつけても、自分の現世で犯した罪悪がだんだん怖くなってどうにも仕方なくなりました。私のような強情なものが、ドー....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
々として大地を洗い、その不可抗の威力の前には、現在|汝等を悩ます痴愚も、不信も、罪悪も、虚偽も皆跡方もなく一掃せられて了うであろう。 問『近代の天啓と古代の天啓....
歯車」より 著者:芥川竜之介
ていた。先生、A先生、――それは僕にはこの頃で最も不快な言葉だった。僕はあらゆる罪悪を犯していることを信じていた。しかも彼等は何かの機会に僕を先生と呼びつづけて....