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置床
「置床〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
置床の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
異議なく承知した。半七は起って次の間へゆくと、ここは横六畳で、隅の壁添いに三尺の
置床があって、帝釈様の古びた軸がかかっていた。蚊帳は六畳いっぱいに吊られていて、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。彼女は松吉が裏口に忍んでいるのを知らないらしかった。半七は奥へ通されて、小さい
置床の前に坐った。寄付の四畳半には長火鉢や箪笥や茶箪笥が列んでいて、奥の六畳が稽....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
中は、相州西鎌倉|乱橋の妙長寺という、法華宗の寺の、本堂に隣った八畳の、横に長い
置床の附いた座敷で、向って左手に、葛籠、革鞄などを置いた際に、山科という医学生が....
「家」より 著者:島崎藤村
中には正太の意匠で、お俊の絵筆をかりて、小さな二枚戸に落葉を模様のように画かせた
置床もあった。 豊世も別れに来た。彼女は自分の使い慣れた道具が、叔父の家の方へ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
って起ちあがると、そっと二階へあがってみた。 二階は上がり口が三畳で、押入れに
置床のある次ぎの六畳に古い箪笥があり、父は敬神家とみえて天照皇大神の幅がかかって....
「栄蔵の死」より 著者:宮本百合子
大風にも曲って仕舞いそうに思われた。 小道具でも、何んでもが、小綺麗になって、
置床には、縁日の露店でならべて居る様な土焼の布袋《ほてい》と、つく薯みたいな山水....
「道化役」より 著者:豊島与志雄
彼女と共に、懐中の紙入の中を胸勘定しながら、公園裏に安価な宿所を求めたのだった。
置床と餉台とで僅かに恰好をつけて、昼間の光で見たら方々に汚点が浮出してそうなその....
「変る」より 著者:豊島与志雄
宣伝機関の一つなのである。それから見れば別に不似合でもなく、畳敷きの上手の半間の
置床には、青銅の薄端《うすばた》に水仙の花の一茎がすっきりと活けてある。 大五....
「朝やけ」より 著者:豊島与志雄
。その幻影をそのまま置き去りには出来なかったのだ。 酒場の奥は六畳の日本室だ。
置床と押入があって、雨戸に硝子戸にカーテンと、わりによく出来ている。そこに、小机....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
と、唄いながら、出鱈目に、踊り出した。
益満は、掛物さえかかってない、小さい
置床を枕に、仰向きに、寝ていた。二人の浪人者が、一人は、濡縁から、庭――それは名....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
戸という浅間なつくりで、そこからのぞけば、玄関まで一と眼で見とおしである。八畳の
置床の前に、布巾をかけ箱膳を出し置き、ちかが丁字になった灯芯を切っている。馴れな....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、陸軍へ出られて間もない明治十五年頃でしたろうか、千住の家で書斎にお使いの北向の
置床に、横物の小さい幅を懸けて眺めておられました。「流芳」の二字が横書にしてあり....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
上り、菊枝さん、きいちゃん。」と言って部屋の内を※すと、ぼんぼん時計、花瓶の菊、
置床の上の雑誌、貸本が二三冊、それから自分の身体が箪笥の前にあるばかり。 はじ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
へ、一枚の板をおいて、そこへ誰の筆か、祖師像を描いたのを懸けてあるだけの――その
置床の板へ、竹の節を据えた。 花挿になっている。 雑草にからんだ昼顔の花を、....