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置時計
「置時計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
置時計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
話は終らない。わたしも最後まで聴きはずすまいと耳を澄ましていると、老人は床の間の
置時計をふと見かえって、女中部屋の老婢を呼んだ。老婢が顔を出すと、老人はなにか眼....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
ゴシゴシと掻いた。 「どんな話かしらぬが、言ってごらんなせえな」わしはチラリと、
置時計の方を見たが、もう午後十時に近かった。 「じゃ、聴いて貰いますか」そう云っ....
「蠅男」より 著者:海野十三
は黒と藍との斑紋もうつくしい大理石に囲われて居り、大きなマントルピースの上には、
置時計その他の雑品が並んでいた。しかもその火床には、大きな石炭が抛りこまれて居り....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
して、端然と坐って熱心に宗教書を読み耽っていた。 机の上の瑞西から持って帰った
置時計はチクタクと一刻千金と云われる春の宵を静に刻んでいた。 折柄襖が静かに開....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
用心用心。」 こうした間にも、れいの松の板ぎれは、粉挽屋の食堂のストーヴの上の
置時計と十字架像の間に、大事そうにかざられてありました。ネルロはときどき、絵だけ....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
イボルトが伊藤圭介に呉れたという虫目金とか、久能山東照宮にある西班牙マドリー製の
置時計とか、京都市妙心寺の南蛮寺鐘とか、そんなものを西洋の遊覧者が見て起す気持に....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
、あした又ゆっくりお話をうかがいましょう。」と、関井さんは言いました。 それは
置時計が十時を打った頃で、山奥の夜はいよいよ冷えて来ました。ランプの灯を慕って来....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
っていますよ。まだスミがかわいていない」 テーブルの上には彼の日常品があった。
置時計や燭台やサモワル。それらは同時に珍しい美術的なものだが、四囲の古代のピカ一....
「火の扉」より 著者:岸田国士
うね。もう何時ごろでしよう?」 腕時計が当てにならないらしく、康子は十畳の間へ
置時計を見に行く。 義妹の百々子はスカートは寒いと云つて、ジャケツにズボンをは....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
コが狂うとパチンコ屋の親父がハコをポンポンとたたく。すると狂いがなおる時もある。
置時計が狂うとガチャガチャとゆさぶったり振り回したりするとカチカチ動き出すことも....
「地上」より 著者:島田清次郎
ここへ着いたばかりだよ」 「さようでございますか」 「もう何時かな」部屋の片隅の
置時計が十時二十分を指していた。 「十時二十分過ぎでございます」 「暫く世話にな....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
た場所である。室内は大混雑をしていた。二脚の椅子は引くり返り、卓子は壊れ、その他
置時計や文具箱などはみんな床の上に散らばり、あたりに飛び散っている白紙にはそここ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
々の祝いものを贈る場合とします。もう学校を卒業して月給も取れている長男夫婦は銀の
置時計ぐらい奮発しましょうし、女学校へ行っている娘は手芸を丹精して贈りましょうし....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
ながながと両足を延ばし、ココアを飲みながら、頻りに腕時計を眺めていた。 客間の
置時計が九時を打つと、それを合図のように玄関のベルが鳴って、貴金属商の杉村が来た....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
なかったら許さんよ、と云いました。親友は再び笑いました」と云いかけた時、応接室の
置時計がふいに二時を打った。尾越はちょっと振り返って時計を見たが、また語をつぎ、....