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罷
「罷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
罷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ょう》を救うてとらさんため、老衲《ろうのう》自らその方と法験《ほうげん》を較べに
罷《まか》り出《いで》た。たといその方の幻術がよく鬼神を駆り使うとも、護法の加護....
「河童」より 著者:芥川竜之介
四五万匹を下らないそうです。そのくせまだこの国では毎朝新聞を読んでいても、一度も
罷業《ひぎょう》という字に出会いません。僕はこれを妙に思いましたから、ある時また....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
「早水氏《はやみうじ》が是非こちらへ参れと云われるので、御邪魔とは思いながら、
罷《まか》り出ました。」
伝右衛門は、座につくと、太い眉毛を動かしながら、日に....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
承《うけたま》わり申した嬉しさに、せめて一語《ひとこと》なりとも御礼申そうとて、
罷《まか》り出《いで》たのでござる。」
阿闍梨は不審らしく眉をよせた。
「道命....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
車が走っている。内へはいればしっきりなく電話のベルが鳴っている。新聞を見れば同盟
罷工《どうめいひこう》や婦人運動の報道が出ている。――そう云う今日、この大都会の....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
いそく》の現状に宣戦しなければならぬ。自然主義を捨て、盲目的反抗と元禄の回顧とを
罷《や》めて全精神を明日の考察――我々自身の時代に対する組織的考察に傾注《けいち....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
携えたる杖を、軽く突直す。) いや、また忘れてはならぬ。忘れぬ前に申上げたい儀で
罷出た。若様へお取次を頼みましょ。 侍女一 畏りました。唯今。……あの、ちょうど....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
る処を、 ――まて、まて、まて―― と娘の声でしゅ。見惚れて顱が顕われたか、
罷了と、慌てて足許の穴へ隠れたでしゅわ。 間の悪さは、馬蛤貝のちょうど隠家。―....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
怒るまいか。日本一の不所存もの、恩地源三郎が申渡す、向後|一切、謡を口にすること
罷成らん。立処に勘当だ。さて宗山とか云う盲人、己が不束なを知って屈死した心、かく....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、というのが、話をする趣向になっているんですがね。(更科山の月見んとて、かしこに
罷登りけるに、大なる巌にかたかけて、肘折れ造りたる堂あり。観音を据え奉れり。鏡台....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
した馬士のような親仁が一人。で、一方の端の所に、件の杢若が、縄に蜘蛛の巣を懸けて
罷出た。 「これ、何さあ。」 「美しい衣服じゃが買わんかね。」と鼻をひこつかす。....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、大尽客を、獅子に擬え、黒牡丹と題して、金の角の縫いぐるみの牛になって、大広間へ
罷出で、馬には狐だから、牛に狸が乗った、滑稽の果は、縫ぐるみを崩すと、幇間同士が....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
れども、たいせつなお客様、またどのような手落になりましても相成らぬ儀と、お伺いに
罷出ましてござりまする。」 番頭は一大事のごとく、固くなって、御意を得ると、夫....
「活人形」より 著者:泉鏡花
われて醜顔き巌丈男の声ばかり悪優しく。「へいへい、お邪魔様申します。ちとお見舞に
罷出たんで。「知己のお方かね。「いえ、ただ通懸った者でがんすがその方が強くお塩梅....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
のを覚えた。髪の毛の焦げるような臭と、今一つ何だか分からない臭とがする。体が顫え
罷んだ。 「待て。」 白い姿は動かない。黒い上衣を着た医者が死人に近づいてその....