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「羊皮紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

羊皮紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
り去って抓り止めていられなかった。鰻《うなぎ》の腹のような靱《つよ》い滑かさと、羊皮紙のような神秘な白い色とが、柚木の感覚にいつまでも残った。 「気持ちの悪い…....
文字禍」より 著者:中島敦
りも更に博学である。彼は、スメリヤ語やアラメヤ語ばかりでなく、紙草《パピルス》や羊皮紙に誌された埃及文字まですらすらと読む。およそ文字になった古代のことで、彼の....
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
女の言うところを果す。鷹の足を纏《まと》える細き金の鎖の端《はし》に結びつけたる羊皮紙を読めば、三十一カ条の愛に関する法章であった。所謂《いわゆる》「愛の庁」の....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
盆景的に矯絶な形をした木の根細工のようでもあり、その――一面に細かい亀裂の入った羊皮紙色の皮膚を見ると、和本の剥がれた表紙を、見るような気もするのだった。すでに....
」より 著者:宮本百合子
?」 「そうそう、ここが工夫したところだ。真っ直立ったのじゃ平凡だが、ここがこう羊皮紙を巻きのばしたように――よくローマ人の絵にあるだろう――こうなって、左右の....
地は饒なり」より 著者:宮本百合子
はどこかへ消えてしまった。 翌日、総理大臣が来ると、陛下は早速書物机の上から、羊皮紙へ立派に書いた、新らしい詔を取って、 『早速実行せよ』 と云われた。開いて....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
しゃく》だった。――僕は絵が上手だと言われているんだからね。――だから、君があの羊皮紙の切れっぱしを渡してくれたとき、僕はそいつを皺《しわ》くちゃにして、怒って....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ど》で再び風俗を作り出す。陶器の破片を見ては、壺《つぼ》や瓶《びん》を結論する。羊皮紙の上の爪跡《つめあと》で、ユーデンガスのユダヤ居住地とゲットーのユダヤ居住....
サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
た。そこで例の公爵から貰った名刺を見せて自分が宛名のフランボーだというと給仕頭の羊皮紙色の陰気な顔にも生命の浮動がほのみえて、身体をブルブル震わせながらもいんぎ....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
出来ている。床に巌丈な寝台がある。寝台の側に卓があり、その上に書物が載せてある。羊皮紙で作った厚い書物で、表紙には漢文字で「明智篇」と記されてある。 「はてな」....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
い間じかに日光と外気とにあたらなかったために、すっかり色が褪せて、一様にくすんだ羊皮紙のような黄色になっているので、どれがどれだか見分けもつきかねるくらいであっ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
、ほんとに奇もなく変もないこの貧弱の手箱から私の運命を左右するような世にも奇怪な羊皮紙が忽然として出て来ようとは…… 果然、その夜から間もないある日、袁世凱の....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
チュリエール》嬢、美術研究所の標本《モデエル》嬢、官文書保存所《アルキシイヴ》の羊皮紙《パルシュマン》氏、天文台区第二十七小区受持の警官|棍棒《クウルダン》氏を....
「黒死館殺人事件」序」より 著者:甲賀三郎
の筆法で行けば、小栗虫太郎はレトルトや坩堝の並んでいる机の上で、鵞ペンを持って、羊皮紙の上に小説を書いているに違いない。 小栗虫太郎は近き将来に探偵小説作家に....
日本文化の特殊性」より 著者:戸坂潤
東西文化の媒介処であった。例えば支那の植物性繊維紙はこうしてヨーロッパに這入り、羊皮紙を駆逐した。活版も亦、古く支那から東漸したようである。もし印度も東洋の内に....