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「美人局〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

美人局の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
、悪事を働かねばならなかった。最初はこうした男女の組合せとしては、最もなしやすい美人局《つつもたせ》を稼業とした。そうして信州から尾州へかけての宿々で、往来の町....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。あんな生若い癖に駕籠賃を踏み倒したりなんかして、あれがだんだん増長すると騙りや美人局でもやり兼ねないと……」 「そりゃ全くですわね」 なにげなく相槌を打って....
婦系図」より 著者:泉鏡花
に思ってるんだ。何の事はない、美少年録のソレ何だっけ、安保箭五郎直行さ。甚しきは美人局でも遣りかねないほど軽蔑していら。母様の口ぶりが、」 とややその調子が強....
風流仏」より 著者:幸田露伴
主持なら理学士、文学士|潰が利く、女房|持たば音楽師、画工、産婆三割徳ぞ、ならば美人局、げうち、板の間|※如律令と唱えて谷川に流し捨るがよいとの事、憎や老嫗の癖....
バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
望するしないに拘わらず、生粋の放蕩者ユロ男爵を遂に社会のどん底につき落したパリの美人局《つつもたせ》、従妹ベットの共犯者マルヌッフ夫妻の住んでいるぞっとするよう....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
、不断、何だか私にね、坊さんが厭味らしい目つきをするのを知っていて、まあ大それた美人局だわね。 私が弱いもんだから、身体も度胸もずばぬけて強そうな、あの人をた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
良家の家附きの女房。 娘の婿を奪って、娘を川へ突き飛ばしたという後家さんの名。美人局《つつもたせ》で産を成したという、強者《したたかもの》。 夫の情婦をつか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
入る方法があれば何でもやる。お絹という女も、銭にさえありつく仕事なら、万引でも、美人局《つつもたせ》でもやりかねない女ではあるが、環境というものが、そうまでは進....
山の手の子」より 著者:水上滝太郎
ん》着馴《きな》れた振袖《ふりそで》から、髷《まげ》も島田に由井ヶ浜、女に化けて美人局《つつもたせ》……。ねえ坊ちゃん。梅之助が一番でしょう」 と言ってお鶴は....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
ハイ、この上は、この妾が……」 女房は袂で顔を蔽うた。 「うん、やるつもりか!美人局!」 「ハイ、夜鷹でも、惣嫁でも」 「そんなことではまだるッこいわい!」 ....
犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
にしたり、引っ張ったりしている。 「ほうらね。だから、言わないこっちゃない。……美人局《つつもたせ》ですか?」 先生は、今度は手巾《ムウショアール》の端を口に....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
われて埋まるかどうか、胸に手を当てて考えてごらん」 「読めた、さては道中|騙りか美人局の」 「いいえ、これでも一本立ち、お前さんも稼業人になるなら覚えておおき、....