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美女
「美女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
の別天地、親仁《おやじ》を下手《しもて》に控え、馬に面して彳《たたず》んだ月下の
美女の姿を差覗《さしのぞ》くがごとく、陰々《いんいん》として深山《みやま》の気が....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ろの日傘に、あたかも五彩の絹を中空に吹き靡かしたごとく、死したる風も颯と涼しく、
美女たちの面を払って、久能の麓へ乗附けたが、途中では人一人、行脚の僧にも逢わなか....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
、もみじ山だが、いずれ戦に負けた国の、上※、貴女、貴夫人たちの落人だろう。絶世の
美女だ。しゃつ掴出いて奉れ、とある。御近習、宮の中へ闖入し、人妻なればと、いなむ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
時。 現代。 場所。 海底の琅※殿。 人物。 公子。沖の僧都。(年老いたる海坊主)
美女。博士。 女房。侍女。(七人)黒潮騎士。(多数) 森厳藍碧なる琅※殿裡。黒影....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
しる中を、前後に行違い、右左に飛廻って、松明の火に、鬼も、人も、神巫も、禰宜も、
美女も、裸も、虎の皮も、紅の袴も、燃えたり、消えたり、その、ひゅうら、ひゅ、ひゅ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
。」 と尋ねたが、その時はほぼその誰なるかを知っているような気がしたのである。
美女は褄を深う居直って、蚊帳を透して打傾く。 萌黄が迫って、その衣の色を薄く包....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、狼の牙を噛鳴らしても、森で丑の時|参詣なればまだしも、あらたかな拝殿で、巫女の
美女を虐殺しにするようで、笑靨に指も触れないで、冷汗を流しました。…… それか....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ねども、学問遊ばし利発な貴女じゃ、言わいでも分りましょう。絵なり、像なり、天女、
美女、よしや傾城の肖顔にせい、美しい容色が肖たと云うて、涙を流すならば仔細ない。....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
の人の面影をしのんだばかりであったのに。 かえって、木魚に圧された提紙入には、
美女の古寺の凌辱を危み、三方の女扇子には、姙娠の婦人の生死を懸念して、別に爺さん....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
可からむ。言い損わば笑わるべし。 「やっぱり可いんでしょう。ね、それ御覧なさい。
美女だからだよ。坊ちゃんは小親さんに惚れたのね。」 皆|哄と笑う。 「惚れやし....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
翌日、伊勢を去る時、揉合う旅籠屋の客にも、陸続たる道中にも、汽車にも、かばかりの
美女はなかったのである。 明治三十六(一九〇三)年五月....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
島が浦と称えつびょう、リボンかけたる、笄したる、夏の女の多い中に、海第一と聞えた
美女。 帽子の裡の日の蔭に、長いまつげのせいならず、甥を見た目に冴がなく、顔の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
等の中には橘姫よりも遥かに家柄の高いお方もあり、又縹緻自慢の、それはそれは艶麗な
美女も居ないのではないのでした。が、それ等は言わば深窓を飾る手活の花、命のお寛ぎ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
引寄せた時、友染は一層はらはらと、模様の花が俤に立って、ぱッと留南奇の薫がする。
美女は立直って、 「お蔭様で災難を、」 と襟首を見せてつむりを下げた。 爾時....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
中には、一人坊主を忌むとて、出家一|人のみ立交る時は、海神の祟ありと聞けば、彼の
美女の心、いかばかりか、尚おその上に傷みなむ。坊主には候わず、出家には侍らじ。と....