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美文
「美文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
美文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風の便り」より 著者:太宰治
たる思いなどという背筋の寒くなるような言葉で飾って、わあっ! 私は、鼻持ちならぬ
美文の大家です。文章|倶楽部《クラブ》の愛読者通信欄に投書している文学少女を笑え....
「虚構の春」より 著者:太宰治
作りました。当時、歌人を志していた高校生の兄が大学に入る為《ため》帰省し、ぼくの
美文的フォルマリズムの非を説いて、子規の『竹の里歌話』をすすめ、『赤い鳥』に自由....
「少女病」より 著者:田山花袋
よつらい。 編集長がまた皮肉な男で、人を冷やかすことをなんとも思わぬ。骨折って
美文でも書くと、杉田君、またおのろけが出ましたねと突っ込む。なんぞというと、少女....
「蒲団」より 著者:田山花袋
崇拝の情を以て充された一通の手紙を受取ったのはその頃であった。竹中古城と謂えば、
美文的小説を書いて、多少世間に聞えておったので、地方から来る崇拝者|渇仰者の手紙....
「惜別」より 著者:太宰治
と、愚痴やら弁解やら、言う事が妙にしちくどくなっていけない。どうせ、私には名文も
美文も書けやしないのだから、くどくどと未練がましい申しわけを言うのはもうやめて、....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
るものにとっては、誘惑されるのも無理でない事なのだ。近頃、妻が何か不愉快|極まる
美文ようのものを声高く朗読するので、何かと思って聞いていると、それは私が昔、下宿....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
「しかしぼくは野淵君の説に賛成することはできません、野淵君は英雄と花とを比較して
美文を並べたがそれはカアライルの焼きなおしにすぎません、いかにも英雄は必要です、....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
か、離婚だか、そのへんのところも分らない。 終戦後二年ほどして、長平は礼子から
美文の甘ったるい手紙をもらった。三度四度と重なったが、もともと小説家志望だった礼....
「火の扉」より 著者:岸田国士
に、破つて、丸めて、部屋のすみへなげすてる。二等機関士と称する若い客の、いつもの
美文調の口説である。店へ来ると、まるでそんなことはした覚えがないような顔をしてい....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
露すべきものなれば也。死生の際が人情の極致を発露する時なりとして詩歌に、小説に、
美文に採用せられ、歌はれ、描かれ写されつゝあるは、通例の事に属す。独り国民を挙つ....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
拝啓 もしや西京より御帰りにやと存じ一書奉呈致し候。近頃高等学校二部三年生にて
美文をつくりこれを『ホトトギス』へ紹介してくれという人有之。一応披見致候処中々面....
「能面と松園さんの絵」より 著者:金剛巌
が私が景年さんの御稽古をしていた時に、景年さんが謡曲の文章で風景を讃美したりする
美文の所にくると「先生もう一度謡ってください」と黙ってそれを傾聴するのです。謡い....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
愛と慈しみは、愛と慈しみ自身をもってせざれば、これを量るをえざるなり」女王はこの
美文を讃美したが、経済的な譲歩はしなかった。しばらく後に「私の祖先代々の財産」で....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
心を動かすほどの文才はない。一策を思いついた私は夜店の古本屋をあさって、五銭で「
美文之資料」という豆本を買ってきた。その中の文章でいいところを抜き出して組み合わ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
も作文は多少上手だった。が、僕の作文は――というよりも僕等の作文は、大抵いわゆる
美文だった。「富士の峰白くかりがね池の面に下り、空仰げば月うるわしく、余が影法師....