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「美禄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

美禄の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画時代」より 著者:寺田寅彦
自由に飲めない彼らは、かかる映画の上に自分を投射して、そこに酌《く》みかわされる美禄《びろく》に酔うのである。これらの点でこれらの映画はジャズ音楽とまさに同種類....
夜の靴」より 著者:横光利一
、しばらく芸術品から遠ざかっていた近ごろの生活中、一点ぽとりと滴り落ちて来た天の美禄を承けた気持ちで、日ごろ眼にする山川は私の眼から消え失せた。美を感じる歓びの....
火傷した神様」より 著者:田中貢太郎
云う者もあれば、 「そこが酒だよ、酒をめしあがりゃ、寒いも暑いもないさ。酒は天の美禄だと云うじゃねえか」 と云うようなことを云って笑う者もあった。さて来宮様は....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
お款待《かんたい》。生れつき遠慮ッ気のないほうだから、会釈なしにやっつけますが、美禄《びろく》に美人に美肴《びこう》と、こう三拍子そろったんじゃ、いかに臆面のな....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
川となるあたりの渓谷に釣り糸を垂れ、獲たる山女魚やはやに味覚を驚かせ候が、まれに美禄の配給にめぐり合い申せば僅かなる一盞に陶然として、わが身の生き甲斐を、しみじ....
黒田如水」より 著者:吉川英治
が?)と。 主人勝久はすでに切腹している。主家尼子家は血において断絶したのだ。美禄を獲てのめのめと自己のみ半生の栄耀を偸むような鹿之介幸盛であろうはずはない。....
味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
なければ、なんの価値もないのである。 他人が愛飲する酒の如きは、人によって天の美禄でもあり、百薬の長ともなるが、好まざる者には無価値である。煙草などもその一例....